EA傘下のスタジオCliffhanger Gamesが開発を手がけていたゲーム『ブラックパンサー』が、開発中止になったと報じられた。これに伴い、これまで未公開だったプロット設定やコンセプトアートが流出している。

SNSプラットフォームX(旧Twitter)ユーザーの@notfunEmanによると、この『ブラックパンサー』ゲームの主人公は、おなじみのティ・チャラ(T’Challa)ではなく、その息子アザリ(Azari)だったという。EAが実施したアンケート調査にも本作の情報が含まれていたとされ、プレイヤーはアザリを操作して冒険を繰り広げる内容だったことが示唆されている。
物語の冒頭は、アザリが父と伝統的な儀式で戦う場面から始まる予定だった。しかしその最中、異星人スクラル(Skrull)がワカンダに侵攻し、ティ・チャラが誘拐されてしまう。プロットは国家の危機と家族の絆をめぐる壮大な旅へと展開していくはずだったという。

▼アザリは、マーベル・コミックスにおいてティ・チャラとストーム(Storm)の息子であり、アニメ映画『ネクスト・アベンジャーズ: 未来のヒーローたち』で初登場したキャラクター。両親の血を受け継ぎ、ワカンダの戦士としての戦闘スキルと俊敏さに加え、電気を操るミュータント能力も持つ。ブラックパンサーの伝統と新時代の力の融合を象徴する存在だ。

@notfunEmanはワカンダの風景やキャラクターデザインを示す複数のコンセプトアートも公開したが、EAはこの件について正式なコメントを発表していない。
この『ブラックパンサー』プロジェクトは数年前に開発が開始されており、担当スタジオのCliffhanger Gamesは、『シャドウ・オブ・モルドール』や『シャドウ・オブ・ウォー』に携わったケビン・スティーブンスが率いていた。彼はかつて、チームが「ユニークでストーリー主導の方法で、ブラックパンサーであることの意味を体験できる」作品を目指していると語り、開発チームの創造性の自由と世界観の構築を重視していると強調していた。
しかし、EAは今週、Cliffhanger Gamesの閉鎖を正式に発表。これは『ブラックパンサー』プロジェクトの終了を意味する。『IGN』の報道によると、EAは影響を受けた従業員を社内の他部門へ異動させるよう調整しているという。
さらにEAは、モバイルゲーム部門と中央運営チームを対象とした新たな人員削減も計画している。これは先月行われた300人から400人の解雇(『Apex Legends』の開発元であるRespawn Entertainmentの100人を含む)とは別のものだ。
EAはゲーム内容について正式な説明をしていないが、今回の開発中止によって、ファンはユニークな『ブラックパンサー』の物語に触れる機会を失ったことになる。アザリを主人公にスクラル人と戦うという設定も、未公開の開発史の中に埋もれてしまうのかもしれない。
via: VGC