日本や欧米など多くの国では、6月の第3日曜日が「父の日」です。去る6月15日の父の日、多くの企業がX(旧Twitter)で心温まる投稿を発信する中、ある球団の投稿が思わぬ形でバズってしまいました。その主は、プロ野球の読売ジャイアンツ公式アカウントです。

ジャイアンツは「#父とジャイアンツ」というハッシュタグを掲げ、イラストを添えた投稿を6つ連続でポスト。ファンに父親との観戦の思い出を共有するよう呼びかけました。しかし、その中の一つの投稿が、多くのネットユーザーのトラウマを呼び覚ます事態に。問題となったのは、このキャッチコピーでした。「父のキゲンは巨人が決めている」。
イラストでは、父親が家でテレビを見ながらガッツポーズをして大喜びしている様子が描かれており、おそらくジャイアンツが優勢か、勝利したシーンなのでしょう。一見すると「あるある!」「めっちゃわかる」と頷いてしまいそうな光景ですが、多くの人々の思い出は、必ずしも美しいものではなかったようです。
コメント欄はさながら「お父さんへの不満」をぶちまける場と化し、「ジャイアンツが負けると、父が家族に八つ当たりするんです」「家族が見たい番組があっても、リモコンは常に親父の手の中。もちろん巨人戦」といった悲痛な叫びが次々と寄せられました。
この投稿は、本来「お父さんと一緒に野球観戦した、あの頃の感動をもう一度」といった趣旨だったはず。しかし、結果として「ジャイアンツが負けて不機嫌になった父親のせいで、家の中の空気が最悪になった」「巨人戦のせいで、他の番組が全く見られなかった」といった苦い記憶を呼び起こしてしまったのです。

もちろん、これは読売ジャイアンツに限った話ではありません。多くのネットユーザーから、野球好きの父親が応援するチームの勝敗によって気分が乱高下し、そのとばっちりで家族に当たり散らすため、良い思い出なんてこれっぽっちも無い、といった声が上がっています。

あるユーザーは、この状況を皮肉ったコラ画像を投稿。球団が父親との観戦の思い出をテーマにすること自体は問題ないとしつつも、「父のキゲンは巨人が決めている」というコピーでは、誰もが良い思い出を想起するわけではないと指摘。なぜなら、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、試合に負けてブチ切れている父親の姿だからです。

『ドラえもん』の作中にも、まさにこんな一コマがあります。普段は温厚なのび太のパパも、野球観戦となると人が変わったように熱くなり、声を荒らげてしまうのです。もちろん、観ているのは巨人戦でした(笑)。

もちろん、ファンの中には「父と観戦した日々は良い思い出」と語る人もいますが、それでも「父のキゲンは巨人が決めている」というフレーズは、良くも悪くもリアルすぎると認めざるを得ないようです。
心温まるキャンペーンになるはずが、多くの人々のトラウマを刺激してしまった今回の一件。炎上してもこれだけ話題になるのは、さすがは人気球団といったところでしょうか。これもまた、一種の「ジャイアンツ現象」なのかもしれませんね…。