マーベル社長が激白!DEI方針の継続、『サンダーボルツ*』不振の理由、ロバート・ダウニー・Jr.復帰の真相を語る

(画像はマーベル・スタジオ、Colliderより)

MCUフェーズ6の第一弾『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップス』の公開を前に、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが自社会議室でメディア向け合同インタビューに応じ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の今後の展開について語った。

まず最も注目が集まっているのは、リブート版『X-MEN』の動向だ。ファイギは、以前から噂されていた通り、新作が『サンダーボルツ*』のジェイク・シュライアー監督によって手掛けられることを認めた。さらに、この作品は『アベンジャーズ』シリーズ第6作『シークレット・ウォーズ』でMCUの「タイムラインがリセット」された後に公開され、マーベルの未来の核となるという。しかしファイギは、『シークレット・ウォーズ』で行われるのはあくまで「リセット」であり、一般的に認識されている「リブート」ではないと強調。両者の意味は異なるとし、混同しないよう釘を刺した。

リセットといえば、「トニー・スターク」や「スティーブ・ロジャース」といった象徴的なキャラクターが、将来的に「ジェームズ・ボンド」や「スーパーマン」のように新たな俳優に引き継がれる可能性も否定しないと認めた。ファイギはそれがいつになるかは明言しなかったが、「その可能性は絶対にある」と述べた。

(画像はLos Angeles Timesより)

次に、近年ファンから「ポリコレ要素が多すぎる」「人種の多様性を強調しすぎ」といった不満が寄せられている点について、ファイギは次のようにコメントした。「マーベルは、あなたが見ている世界そのものを表現しています。私はいつも自問しています。『マーベルはDEIや“ウォーク”といった意識が主流になる前からそうしていたのか、それとも主流になってから貫いたのか?我々は後追いだったのか?』と。私はそうは思いません」。ファイギは、マーベルが社会の風潮に迎合してDEI(多様性、公平性、包括性)方針を導入したのではなく、こうした議論が巻き起こるずっと以前から実践してきたと示唆した。

アフリカ系アメリカ人のスパイダーマン「マイルス・モラレス」は、実写化されても反発が少ない人気の有色人種キャラクターだが、ファイギは彼がすぐにMCUに登場することはないと明言。ソニー・ピクチャーズとの間で、『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズが完結するまで、マーベルはこのキャラクターに「手を出さない」という合意があるためだという。

(画像はPinterestより)

現DCスタジオの共同CEOであるジェームズ・ガンは、多くのスーパーヒーロー映画が質の高い脚本を書き上げる前、あるいは脚本が未完成のまま撮影を開始することが失敗の原因だと度々指摘している。これに対しファイギは、マーベルが脚本完成前に撮影を始めたことは一度もないと反論。映画が完成するまで満足のいくまで調整を続けるのは当然のことだと述べた。

視聴率の低下、興行収入の減少、そして増加し続ける製作費は、マーベルが直面している財政的圧力だと外部からは見られている。しかしファイギは、実際には2023年から支出を大幅に削減しており、全体の製作コストは2年前に比べて3分の1も減少したと説明。マーベルはコスト削減のため、わずか8000万ドルの予算で2億ドル級の映像美を実現したことで知られる『ザ・クリエイター/創造者』のチームから、VFXコストを抑えるノウハウを学んだことさえあるという。

(画像は20世紀スタジオより)

ロバート・ダウニー・Jr.がMCUに復帰し、ヴィランの「ドクター・ドゥーム」を演じるのは、近年のマーベルの失速を救い、DVスキャンダルで降板した「カーン」役のジョナサン・メジャースの代わりを務めるためだ、というのが世間一般の見方だ。しかしファイギはこれを否定。カーンが初登場した『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が興行的に失敗する以前から、カーンの脅威が「サノス」ほどではないことを懸念しており、ダウニー・Jr.にドクター・ドゥーム役での復帰を打診するという大胆な可能性について話し合いを始めていたと明かした。

(画像はマーベル・スタジオより)

ファイギはまた、評価は高かったものの興行的に振るわなかった『サンダーボルツ*』についての質問も避けられなかった。彼が分析する原因はこうだ。「『このキャラクターを知るには、先に他のドラマシリーズを観ておかないといけないんだろうな』という考えに、いまだに囚われている人たちがいます。実際にこの映画を観ればそうは感じないはずですし、我々もそういう作りにはしていません。しかし、その点を観客にきちんと理解してもらう必要があったのだと思います」。ファイギは、『マーベルズ』の興行成績が惨敗したのも、観客が同様の考えを抱いていたからだと考えている。

最後にファイギは、マーベル・スタジオ社長としての契約が残り2年を切っていることを明かした。契約を更新するかどうかは明言しなかったが、「マーベルは素晴らしい物語を語るプラットフォームだ」と強調しつつも、将来的にはマーベル以外の、より幅広い観客に向けた大衆向けの商業大作を製作したいとも語り、他のジャンルの映画製作にも興味があることを示唆した。


via: The Hollywood Reporter Variety