ソニー幹部が明かすPlayStation事業の新たな方針。ハード中心モデルから転換し「クロスプラットフォーム」を長期目標に

発売から5年目を迎えたPlayStation 5ですが、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、PlayStationエコシステム全体の月間アクティブユーザー数が1億2,400万人に達したことを発表しました。

しかし、そのうちPS5を利用しているのは6,290万人にとどまり、残る約3,790万人のプレイヤーはPCやPS4でプレイしているとのこと。プレイヤー層が依然として「クロスジェネレーション」状態にあり、最新ハードへの完全移行には至っていない現状が浮き彫りになりました。

先日行われたソニーの経営方針説明会にて、シニアバイスプレジデントの早川禎彦氏はPlayStationの今後の方向性について言及。「ハードウェア中心ではないビジネスモデル」への転換を強調し、ユーザーのエンゲージメントを新戦略の核に据える考えを明らかにしました。早川氏は、事業の軸足をエンターテインメントコンテンツの創造に置くことで、収益の安定性や事業の生産性が向上していると指摘します。

また、この転換はゲーム事業に限った話ではなく、従来のハード製造からデジタルカメラのような「創作のためのデバイス」へとシフトした他のエレクトロニクス事業の戦略にも通じるものだと説明。多角的な事業構造を通じて、より安定した経営基盤を築いていると述べました。

この方針は、ソニーが近年進めてきたマルチプラットフォーム戦略とも一致します。PlayStationはもはやコンソール販売のみに依存せず、ファーストパーティタイトルを積極的にPCへ展開。さらに、長期的な運営を見据えたオンラインサービスやライブサービスゲームの開発にも力を入れており、プレイヤーとブランドとの結びつきをより長く、強固なものにしようという狙いが伺えます。

ResetEraフォーラムでの議論でも、現在のプレイヤーコミュニティがPS5、PS4、PCの3プラットフォームに分散している状況は、次世代機が登場しても続くだろうと指摘されています。PlayStationの戦略がエンゲージメントとコンテンツ中心に移行するならば、将来的にPS6が発売されたとしても、多くのプレイヤーは既存のデバイスで遊び続ける可能性があるというわけです。

アナリストは、こうした「脱ハードウェア化」戦略によって、ソニーはコンソールの販売サイクルに左右されずに収益の成長とブランドの勢いを維持できると見ています。その一方で、コンソール独占タイトルの重要性が薄れることで、PlayStationが市場で持つ独自の強み、いわゆる「差別化」が難しくなるのではないか、と懸念する声も上がっています。

現時点でソニーから具体的なタイムスケジュールは明かされていませんが、早川氏の発言は明確なシグナルと言えるでしょう。PlayStationの未来は、もはや単なる次世代機をめぐる競争ではなく、プラットフォームの垣根を越えた多様なコンテンツによる長期的なファンとの関係づくりへと舵を切ったようです。

via: TheGamer