「2025年大阪・関西万博」が4月に開幕し、連日多くの来場者で賑わっています。そんな中、公式キャラクターの「ミャクミャク」が、関連グッズの売れ行きも絶好調で、すさまじい人気ぶりを見せています。
発表当初は「キモい」と酷評の嵐だった「ミャクミャク」ですが、今やその人気はうなぎのぼり! グッズは発売すれば即完売、万博会場のフォトスポットでは2時間以上の行列ができるほどの人気者になりました。このミャクミャクを生み出した絵本作家の山下浩平さんが、このほど「女性自身」のインタビューに応じ、デザインに込めた想いや万博への考えを語りました。

山下さんはデザイナーとしてだけでなく、数多くの絵本を手掛ける作家でもあります。そのデザインは1,898件の応募の中から選ばれましたが、2022年3月の発表当時は、ネット上で「こわい」「キモすぎる」「子供が泣く」といった批判が殺到しました。
この反応に対し、山下さんは「正直、僕自身も最初はちょっと不気味かなと思っていました(笑)。でも、ベースになったロゴ自体がインパクト大で印象的だったので、キャラクターをデザインするにあたって、その『不気味さ』を少しずつ削り、『かわいさ』を足していく作業をしました。でも、かわいすぎてもダメ。そのバランスが難しかったですね。皆さんが最初に『ん?』と感じて、後から『なんかカワイイかも!』と思っていただけたなら、僕の狙いは成功です」と笑顔で語ります。

この絶妙な「キモかわ」の魅力だけでなく、ミャクミャクには細かな工夫が満載です。瞳の大きさや位置の微調整、口の形、そして何気ないポージングにも、感情を表現するためのこだわりが隠されています。カラーリングはロゴと統一し、グッズ展開のしやすさも考慮。さらに、口の部分は着ぐるみになった際に、中の人が外を見えるように設計されているというから驚きです。
▼ 公式ライセンス商品は6800種類を超え、開幕からわずか2ヶ月で売上は110億円を突破したとのこと。

▼ コラボも引く手あまたで、様々なIPがミャクミャクとの共演を果たしています。

熊本で生まれ、神戸で育った山下さんにとって、1970年の大阪万博は特別な思い入れがあるそうです。特に岡本太郎氏が手掛けた「太陽の塔」は、彼にとって非常に大きな存在。「太陽の塔」の背面に顔があることからインスピレーションを受け、ミャクミャクのしっぽにも「目」を描き加えたのだとか。これは、岡本太郎氏へのリスペクトが込められたオマージュなのです。

山下さんがデザインに取り組んでいたのは、コロナ禍の真っ只中。万博が本当に開催されるかも不透明で、絵本の仕事もストップしていた時期だったと振り返ります。1ヶ月間、毎日スケッチを描き、家族と相談しながら数百のデザイン案の中からお気に入りの一つを選んで応募したそうです。「このキャラクターがみんなを元気にしてくれたら」という願いを込めて。
現在のミャクミャクの人気について、山下さんは「この間、東京駅でミャクミャクのぬいぐるみを抱きしめて、満面の笑みを浮かべているお子さんを見かけたんです。思わず『その子、僕がデザインしたんですよ』って声をかけそうになりました(笑)。あの瞬間は、本当に幸せで胸がいっぱいになりましたね」と語ります。

今やミャクミャクは、まるで実家を巣立った子供のように、多くの人々に愛され、新たな物語を紡いでいます。山下さんは「子供の頃の夢は、自分の絵が切手になることでした。まさかミャクミャクが切手になるだけでなく、記念硬貨や飛行機にまで描かれ、万博の公式キャラクターになるなんて。これは本当に一生に一度の経験です。この経験を、これからの新しい創作活動に活かしていきたいです」と笑顔で話してくれました。
万博そのものの評価はさておき、公式キャラクター「ミャクミャク」は、間違いなく歴史に名を刻む存在となりました。当初の酷評から一転、今や国民的人気者となったその姿は、デザインの持つ不思議なパワーと面白さを改めて教えてくれますね。
via: 女性自身