『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の最新予告編が、最終章の映像まで含むなど、あまりにも多くの情報を詰め込んでいることに多くのファンが度肝を抜かれました。これまで「プレイヤーを巧みにミスリードする予告編」を得意としてきた小島秀夫監督のスタイルとは真逆のアプローチです。このほど、監督が米紙『ワシントン・ポスト』のインタビューに応じ、その真意を明らかにしました。
小島監督といえば、やはり『METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY』が象徴的でしょう。当時、複数の予告編で「ソリッド・スネーク」が主人公であるかのように見せかけ、蓋を開けてみれば本編の主役は新キャラクターの「雷電」だったという、あの伝説の「プレイヤー騙し」は、今やゲーム史に残る語り草となっています。
しかし、今回の『DEATH STRANDING 2』では一転、物語の核心に触れるような情報が惜しげもなく公開され、ゲーム体験そのものに影響を与えかねないレベルです。これについて小島監督は、意図的な演出であることを認めました。
監督は、現代のエンタメ文化において「ネタバレの定義」そのものが変化したと指摘し、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』を例に挙げます。
「ハリソン・フォードがレッドハルクを演じることは、本来ならサプライズであるべきなのに、いざ劇場に行ってみるとポスターでデカデカと明かされているんです。」と語る監督。情報が溢れかえる現代では、観客が事前に詳細を知ることに慣れてしまっているとし、この時代の流れを自身のクリエイティブ戦略に取り入れることにしたと説明します。
さらに監督は、『The Last of Us Part II』のプロモーションについても言及。作中では登場しないシーンにあえてキャラクターのジョエルを登場させたことで、結果的にプレイヤーから大きな反感を買ってしまった事例を挙げました。
映画や小説とは違う、ゲームならではの体験を目指すべきだとし、「プレイヤーが60時間かけてプレイした末にたどり着いたエンディングが、最初に期待した通りのハッピーエンドだった、という喜びを届けたい。これは一種のデザインであり、そのために僕はネタバレを段階的に見せていく手法を選んだのです」と語りました。
これは単なる「ストーリーのリーク」ではなく、ネタバレによって期待感を煽り、プレイヤーが「すでに知っていること」と「まだ知らないこと」の間に生まれる緊張感を抱きながらゲームを進めていくことを狙ったものだと、小島監督は強調します。この戦略こそが、従来の物語とは一線を画すインタラクティブな効果を生み出すと考えているようです。
現在、『DEATH STRANDING 2』は、その独創的なゲームシステムや物語だけでなく、小島監督による「ネタバレ」の新たな解釈をめぐっても世界中で熱い議論を巻き起こしています。この斬新なプロモーション手法が、今後のゲームマーケティングのあり方を変える一石を投じることになるのか、引き続き注目が集まります。
via: The Washington Post