「雨が降ってきたな…」『ハガレン』マスタングの名言、意味わかる?「無言の帰宅」と共に日本語の"比喩表現"がXでトレンド入り

日本語を勉強していると、比喩や皮肉といった字面だけでは意味が通じない表現にぶつかること、ありますよね。これが日本語学習の大きな壁の一つだったりします。

最近、日本のX(旧Twitter)で「無言の帰宅」という言葉の意味が分からない、という投稿が話題になりました。これを受けて、あるユーザーが「そういえば昔、『鋼の錬金術師』でマスタングが急に『雨が降ってきたな』と言った意味が分からなかった人がいたな」と投稿。日本語の比喩表現って、そんなに難しいものなのでしょうか? それとも、文脈を読み取るのが難しくなっているのでしょうか?

話題のきっかけとなった「無言の帰宅」。これを文字通り「黙って静かに家に帰ること」だと勘違いする人が続出したのです。しかし、本来の意味は「言葉を発することができなくなった亡骸が家に帰ってくること」、つまり亡くなったことを指す言葉です。

この一連のやり取りに、ネット上では「日本人なのに日本語が分からないのか…」と驚きの声が。亡くなったことを伝える投稿に対し、「ご無事で何よりです」といった趣旨のリプライを送ってしまうケースもあり、多くのユーザーを困惑させました。

この流れで、別のユーザーが引き合いに出したのが、先述の「なぜマスタングは急に雨が降っていると言ったのか」問題です。ごく基本的な文脈や表現であっても、理解できない人は一定数いるもの。SNSの普及によって、そうした「分からない」という声が可視化されやすくなったのかもしれません。深く考えず、言葉の表面だけを捉えて反応してしまう人が増えている、という指摘も見られました。

『鋼の錬金術師』ファンなら誰もが知る、マスタング中佐の「雨が降ってきたな…」というセリフ。これは原作コミックス4巻、第16話での一幕です。親友であり部下でもあったヒューズを殺され、その墓前でマスタングは天を仰ぎ「いかんな…雨が降ってきたな」と呟きます。隣にいたリザ・ホークアイ中尉が「雨なんて降っていませんよ」と返すと、彼は「いや…雨だよ」と答えるのでした。

言うまでもなく、これは彼の流す涙を「雨」と表現した、あまりにも有名で悲しい名シーンです。

さらに、このセリフの奥深さを指摘する声も。「焔の錬金術師」であるマスタングは、雨の日には能力が使えず「雨の日は無能」と揶揄されることもありました。そのため、この「雨が降ってきたな」には、「部下一人守れなかった、俺はなんて無力なんだ」という自責の念も込められているというのです。「雨=涙」という単純な比喩だけでなく、自身の無力さを嘆く二重の意味が込められていると考えると、より一層胸が締め付けられますね。

この話はさらに広がり、『ドラゴンボール』における悟空とフリーザの対話も例として挙げられました。

フリーザ:「よくもぬけぬけと正義の味方のようなツラができるな……! きさまらサイヤ人も罪のない者を殺してきただろうが!」

悟空:「だから滅びた……」

この悟空のセリフも、一見すると意味が分かりにくいかもしれません。あるユーザーの解説によると、これは日本語特有の「圧縮された言葉」なのだとか。その意図を補完すると、

フリーザ:「サイヤ人だって昔は悪いことをたくさんしてきたじゃないか!」

悟空:「(その報いを受けて)だから滅びたんだ。(そして、同じように悪事を重ねてきたお前の番が次だ)」

フリーザ:「因果応報などではない! オレが気に入らなかったから滅ぼしただけだ!」

悟空:「だったらオレも同じだ。気に入らないから、お前を倒す!」

…といった、深い意味が込められているというわけです。

「無言の帰宅」から『ハガレン』の「雨」、そして『ドラゴンボール』の対話まで。多くのネットユーザーが指摘するように、たとえ有名なシーンであっても、文脈や比喩、皮肉などが絡むと、すぐには真意を理解できないことがあります。これは日本語の面白さでもあり、難しさでもあるのかもしれませんね。日本人ですら戸惑うことがあるのですから、海外のファンにとってはなおさらでしょう。

しかし、SNS時代だからこそ「これってどういう意味?」と気軽に発信でき、名シーンが再評価されたり、新たな解釈が生まれたりするのも事実。作品の奥深さを再発見する良い機会になっているようです。

via: togetter