「これ売っていいの?」ハードオフが買い取った“任天堂の震災支援DSi LL”が話題に。寄贈品を売ることの是非をめぐりネットで議論白熱

リサイクルショップ巡りって、思わぬ掘り出し物に出会えるからやめられないんですよね。新品じゃないからこその一期一会、お宝探し感覚がたまりません。欲しかったあのアイテムを、まさかの価格でゲットできた時の喜びは格別です。

そんな中、宮城県石巻市にある「ハードオフ」がX(旧Twitter)に投稿したある買取品が、大きな話題を呼んでいます。投稿によると、買い取ったのは「ちょっと特別な商品」――それは、2011年の東日本大震災の際に、任天堂が避難所へ寄贈したニンテンドーDSi LLだったのです。この一台が、多くの人々の記憶を呼び覚ますことになりました。

2011年の東日本大震災発生時、任天堂は支援物資として、避難所で生活する人々へニンテンドーDSi LLを寄贈しました。特筆すべきは、ゲームソフトではなく、地上デジタル放送が視聴できる専用のワンセグ受信機がセットになっていた点です。本体は市販品とほぼ同じ仕様ですが、本体と受信機には配布先の市町村名が刻印されており、任天堂の支援の心を伝える特別な一台となっていました。

店舗の公式アカウントは投稿で、「ちょっと特別な商品を買い取りました。刻印は何だろう?と調べてみたら、震災の時に任天堂さんが避難所へ寄贈されたDSi LLでした。任天堂さんの優しさに感謝です」とコメントしています。

この投稿は瞬く間に拡散され、「任天堂さん、マジ神対応…」「そんな支援があったなんて知らなかった!」といった驚きと感動の声が多数寄せられました。しかしその一方で、この「寄贈品が売りに出された」という事実に対して、疑問を呈する声も上がり始めます。

当時、実際に避難所で過ごしたというユーザーからは、「これ、ゲームじゃなくてテレビチューナーが付いてるんですよね。避難情報とか津波警報とか、一人一台のポータブルテレビとして本当に重宝しました」といった体験談も。また、「震災後にDS用のワンセグチューナー買ったなぁ。当時はまだスマホでテレビ見れなかったし、停電の時はああいうガジェットが情報源だった」と当時を懐かしむ声も見られました。

その一方で、「寄贈品を売るのはいかがなものか」という批判的な意見も少なくありません。「任天堂の善意を踏みにじる行為だ」「被災者のために贈られたものを売るなんて、さすがに酷い」「感謝の手紙を添えて任天堂に返すべきで、お金に換えるものじゃない」など、寄贈した側の気持ちを考えると、売却という行為は不適切だとする声が上がりました。

もちろん、これに反対する意見も多く見られます。「14年も経ったんだから、もう役目は終えたってこと。持ち主が手放すのは自然な流れ」「そもそも任天堂だって、必要な人の手で役立ててほしいと思って贈ったはず。次の誰かの手に渡るなら、それでいいのでは?」など、売却行為は復興の証であり、モノの新たな循環として肯定的に捉えるべきだという考えです。

さらに、「単なる中古ゲーム機としてではなく、震災の記憶を伝える歴史的資料として保存すべきだ」という意見も。任天堂が当時行った支援活動を忘れないためにも、このDSi LLは貴重な証人である、という視点です。

売却の是非については意見が分かれるところですが、多くのネットユーザーにとって、この一台のDSi LLが、東日本大震災における助け合いの精神や善意を再認識させるきっかけとなったことは間違いありません。今回の件で、任天堂が当時行っていた心温まる支援について、初めて知ったという人も多かったのではないでしょうか。

via: togetter