同人音声クリエイター、無断転載に「お金を払って」と抗議 → 「中国人は収入が低いから無理」という斜め上の反論が飛び出しネットで物議

同人音声クリエイターのクアトロ(Quattro)さんが、自身が制作したASMR作品が中国の動画共有サイト「bilibili」に無断転載されていることをX(旧Twitter)で報告。転載された動画のコメント欄で直接注意したところ、あまりにも斜め上な反論が返ってきたとして、ネット上で大きな波紋を広げています。

話題となっているのは、クアトロさんがシナリオを手掛け、人気同人声優の陽向葵ゅかさんが出演するASMR作品「あなたに託すバトン」。DLsiteで販売中の本作は、生命をテーマにした感動的なストーリーで多くのファンから高い評価を得ています。

クアトロさんは、bilibiliで無断転載を発見後、動画のコメント欄に自ら「想聽的話請付錢購買喔。(聞きたいなら、お金を払って購入してくださいね)」とコメント。すると、あるユーザーから「大多数の中国人は収入が高くない。お金を払わなければ聴けないのですか?」というまさかの反論が寄せられました。クアトロさんが冷静に「沒錯啊。(はい、そうです)」と返した一連のやり取りに、衝撃が走っています。

クアトロさんによると、この音声作品「あなたに託すバトン」は、「余命半年」をテーマにしたシリアスな作品。医師から余命半年を宣告された少女が、ASMRを「恋人に遺す最後のメッセージ」として録音するという、切ないストーリーが描かれています。

しかし、bilibiliのコメント欄には、「実は私が担当医です。あの診断は間違いでした。今、彼女とハネムーンに来ています~」といった、いわゆる「NTR」的な書き込みが投稿され、あろうことか多くの「いいね」を集めていたとのこと。これにはクアトロさんも「僕が作った世界では、この女の子は亡くなっています。それを勝手にギャグにされたり、おもちゃにされたりするのは本当に辛い。無断でアップされ、作品を好き勝手にいじられるのは、作り手として侮辱です」と、悲痛な思いを綴っています。

クアトロさんの毅然とした対応は日本のネット上で瞬く間に拡散。「金がないからって盗んでいい理由にはならない」「クリエイターへのリスペクトがなさすぎる」と、多くのクリエイターやユーザーから支持する声が殺到しました。中には「いっそNHKみたいに集金して回れたらいいのに!」「作品の価値がわからないなら触らないでほしい」といった意見も飛び出しています。

この投稿をきっかけに、他のクリエイターからも同様の被害報告が。「私も無断転載された挙句、『通報しないでください。これで稼げなくなってしまいます』ってDMが来たことあるけど、ガン無視しました」といった体験談も寄せられています。

日本のネットユーザーからは「文化や価値観の違い」を指摘する声が多く上がっており、「あちらでは海賊版が当たり前すぎる」「共産主義とか関係なく、人としてのモラルの問題」といったコメントが目立ちます。一方でクアトロさんは、「もちろん、ルールを守って正規に購入してくれる中国のファンもいます。ただ、悲しいことに、そうした方はごく少数です」とも付け加えています。

同業者の中には「転載されるのは人気の証と割り切る」という意見も一部にはあるようですが、大多数は「どんな理由があれ、無断転載は許されない行為」というスタンスです。

今回の一件は、改めて著作権に対する意識の違いを浮き彫りにすると同時に、デジタル時代のクリエイターが直面する海賊版問題の根深さを示しています。クアトロさんが言うように、「クリエイターの作品を楽しみたいなら、その対価を支払い、彼らの努力を応援する」という、ごく当たり前のリスペクトが求められているのではないでしょうか。


via: togetter