1994年の『ライオン・キング』は、ディズニーを代表する不朽の名作アニメーションの一つとして、今も語り継がれています。その中で悪役スカーの声を担当したイギリス人俳優ジェレミー・アイアンズが、最近の振り返り動画で当時の経験を語り、キャラクターのビジュアルデザインに「非常に不満だった」と告白。さらにディズニーに対して「ギャラは多くなかったし、何もくれなかった」とユーモラスに不平を漏らしました。

アイアンズは当時、初めてアニメーションの声優を務め、制作過程について全く知らなかったと振り返ります。彼は「録音の時にはライオンの映像が見えて、その口の動きを真似するんだと思っていました。でも、実際は全く違いましたね」と語りました。アイアンズによると、制作チームは録音中にキャラクターを作り上げ、セリフや演技を調整していったため、完成したスカーを初めて見たのはプレミア上映の日だったそうです。
しかし、そのプレミア上映で彼は大きな衝撃を受けました。
「本当にがっかりしましたよ。ムファサはあんなにたくましくて威厳があるのに、スカーは野良猫みたいに痩せこけていて、たてがみはボサボサ、尻尾もひどい見た目でしたからね」とアイアンズは笑いながら回想し、「もしかして、僕の姿を参考にキャラクターを描いたんじゃないか、とさえ思いましたよ」と続けました。

さらに彼を苦笑させたのは、劇中でスカーが転落死した際、会場の観客から盛大な拍手が起こったこと。「僕が死んでみんなが喜んでいるのを見て、ちょっと心が痛みましたね!」と彼は冗談交じりに話しました。しかし、当時のディズニーアニメーション部門の責任者だったジェフリー・カッツェンバーグは、後に彼に直接電話をかけ、スカーが映画の成功に大きく貢献したと祝辞を述べたそうです。
しかし、この「称賛」が実際の報酬に変わることはありませんでした。アイアンズは笑いながらこう語ります。「カッツェンバーグが電話で『ライオン・キング』が大ヒットしたこと、そして僕のキャラクターがその成功に不可欠だったことを伝えてきた時、僕は何かプレゼントがもらえるんじゃないかと思いました。だって、ロビン・ウィリアムズが『ミセス・ダウト』に出演してディズニーに大金を稼がせた後、ピカソの絵が送られてきたと聞いていましたからね」。
彼は冗談めかして付け加えました。「結局、何ももらえませんでしたよ。ピカソどころか、絵葉書一枚もね。でも、彼らが僕の演技をとても喜んでくれたのは確かです」。