日本最大規模の同人誌即売会 Comic Market(コミックマーケット107、通称コミケ)が、2025年12月30日・31日に開催されます。作品を求めるファンも、サークル参加するクリエイターも、開催を心待ちにしている一大イベントです。
しかし、開催を前にしてX(旧Twitter)上では、AI生成作品の出展をめぐる論争が過熱。一部の参加者が他のサークルの作品を「AIかどうか」と詮索するような動きも見られます。この状況に対し、『はじめの一歩』で知られる漫画家の森川ジョージ先生が、異例の苦言を呈し、注目を集めています。

近年、AI技術の活用が広まるにつれ、コミケ開催前には「なぜAIイラストがサークル参加できるのか」「AIイラストは同人創作と言えるのか」といった声がSNS上で上がるのが恒例となっています。もちろん、AI活用を支持する層もおり、毎回のように激しい議論が巻き起こっていました。
イベント開催前から、AI使用の有無を理由に他の参加者へ攻撃的な発言をするユーザーが現れていることを受け、森川先生は「直接の被害者でもないし相手のことも知らないのになぜ嫌がらせをするのか。しかも開催前だ。いい加減にした方がいい。ポスト内容からあなたのスペースはバレバレだ。誰の得にもならないことはやめなさい」と、厳しく指摘。立場が違うからといって、公の場で互いを攻撃し合うのはやめるべきだと、冷静になるよう呼びかけました。

さらに森川先生は、「AI賛成反対で分裂している人達、本当にくだらないと思う」と続けました。かつて同人文化が世間から「パクリだ」「違法だ」と非難されていた時代を振り返り、コミケの運営者たちが苦労を重ねて、多くのクリエイターが参加できる現在の規模までイベントを育て上げてきた経緯に言及。
「それが今や内側から『お前達は泥棒だ』と排斥しあうなんて、一体どういうことなのか」と疑問を呈し、コミケ運営が認めている以上、他人の創作がAIかどうかを詮索する必要はなく、ルールに従えば済む話ではないかと訴えました。


森川先生は、特定の立場を擁護する意図はないとしつつ、「コミケは世界に誇るイベント。みんなで楽しめばいいのに」と、現状を残念に思う気持ちを吐露。一部のユーザーが“AI警察”と化して他者の作品を監視し、SNSで攻撃的な発言を繰り返す現在の状況は、理解に苦しむと述べています。

この森川先生の一連の投稿には多くのユーザーが共感。「先生の言う通りすぎる」「いがみ合っても仕方ない」「創作は本来、自由で楽しいものであるべき」といった、支持するコメントが多数寄せられています。
森川先生はAIそのものへの賛否を表明したわけではありませんが、「誰の得にもならないことはやめなさい」という言葉は、多くのクリエイターの心に響いたようです。互いの創作活動を尊重し合える、平和な創作の場が保たれることを願うばかりです。