藤子・F・不二雄先生の不朽の名作『ドラえもん』は、多くの人にとって幼い頃からの大切な思い出ですよね。初期の漫画から絶大な人気を誇り、現在もTVアニメが放送されているだけでなく、劇場版も大ヒットを記録するなど、その魅力は今もなお健在です。
そんな『ドラえもん』から、最近日本のX(旧Twitter)で、登場キャラクター「出木杉」をヒントにしたある人生哲学が突如として大バズりしています。それが、通称「出木杉フィルター」。その核心は、「笑っていいのか、ツッコんでいいのか迷う場面に遭遇したら、自分に問いかける。『出木杉くんは笑うだろうか?』」というもの。これが多くのネットユーザーの共感を呼んでいます。

発端は、あるユーザーが「普通に話してただけなのに、『え、お洋服(おようふく)って言うんだ、ハハハ!』って笑われた。こんな状況で不快にならない女子っている!?」と投稿したことでした。
これに対し、別のXユーザーが「笑っちゃいけない気がする時は、『出木杉くんは笑うかな?』って考えるようにしてる。出木杉くんを人生の成分指標にしようぜ。」とリポスト。さらに、「お洋服」のような丁寧な言葉遣いも、出木杉くんなら普通に使うだけで、決して人を嘲笑する材料にはしないだろう、と補足しています。
(補足:「お洋服」という言葉は、丁寧すぎるがゆえに、まるで店員さんのような言葉遣いだと受け取られ、時に「ちょっと変わってる?」と捉えられてしまうことがあるようです。)

ネットユーザーからは、「本当のポイントは『弱みを笑わない』ことだよね」という声も。出木杉くんは、のび太のちょっとおバカな行動を指摘することはあっても、決して弱点をからかうことはありません。あるユーザーは、こんなエピソードを挙げています。クラス全員がのび太のリコーダーの演奏が下手なのを笑った時——「出木杉くんだけは笑っていなかった。ただ『あれ?』って顔をしてただけだったんだ。」


また別のユーザーは、「『魔界大冒険』で、のび太が魔法を信じてるって笑われた時、出木杉くんは彼を慰めて、小学生には絶対読めないようなヨーロッパの歴史書を持ち出して解説し始めたんだよね(笑)」とコメント。

この「出木杉くんは人を笑わない」理論に対し、ネット民からは「たしかに……心に出木杉くんを住まわせられる人は、そもそも人の言葉を笑ったりしないよね」という意見も。安易に他人を嘲笑せず、すべての人を平等に扱い、自分にも高い基準を設ける。そんな礼儀正しさや成熟さが、現代社会ではかえって珍しくなってしまっているのかもしれません……。

議論が白熱するにつれて、ネットユーザーたちは「出木杉くんが体現しているのは、実は現代社会が最も理想とする成熟した人間性なのでは?」と考えるように。一見冗談めいた「出木杉フィルター」ですが、その裏には「誰にも嘲笑されず、そして自分も誰も嘲笑しない」という現代人の強い願望が隠されているのかもしれません。これは、複雑化する現代のソーシャルライフの一端を映し出しているとも言えるでしょう。
via: togetter