先日、X(旧Twitter)で小説家の九重ツクモさんが投稿した創作の悩みが、多くのネットユーザーから共感と議論を呼んでいます。九重さんによると、BLを書くつもりは全くないのに、いざ男性キャラクターの友情を描写しようとすると、なぜか「湿度が高く」なってしまうとのこと。「男の子同士の友情って、なんでこんなに書くのが難しいの!」と、その苦悩を吐露しました。
この投稿は瞬く間に注目を集め、どうやら女性クリエイターが描く「男性の友情」と、実際のそれとの間には認識のギャップがあるのではないか、という議論に発展しています。
九重ツクモさんは女子高出身で、現在は異世界恋愛ファンタジー作品を執筆中。彼女が明かしたところによると、現在、本編では敵対関係にあるおじさんキャラクター2人の学生時代のエピソードを執筆しているそう。当初は「昔は友情みたいなものがあったんだろうな」くらいの軽い気持ちで書き始めたものの、書けば書くほど話が思わぬ方向へ。「女の子同士だとこうはならないのに、どうして男の子だとこんなに複雑になっちゃうの?」と苦笑いを浮かべています。
この投稿がされるやいなや、リプライ欄は瞬く間に大盛り上がり。多くの読者からアドバイスが寄せられ、さながら大規模な「男性の友情・研究会」の様相を呈しています。

ユーザーからは具体的なアドバイスが殺到。例えば、「『ルパン三世』のルパンと次元の関係を参考にしてみては?」という意見では、「互いに信頼しているけど多くは語らない。男の友情って基本こんな感じ」とのこと。また、女性は感情を細やかに描写しがちですが、男性はもっとストレートでシンプルなため、「キャラクターの“内心のモノローグ”を少し抑えめにすると、グッと自然になりますよ」といった指摘も寄せられました。
さらに、「男性作家が書いた作品の友情描写を読み返してみるのが手っ取り早い。難しく考えずに観察するのが一番」という声も。九重さんは寄せられた意見に一つ一つ丁寧に返信し、「これはBLじゃない!と言い張れるまで頑張ります(笑)」とユーモアを交えて応えました。

この一連のやりとりは、多くの男性ユーザーからのリアルな体験談を引き出すことにもなりました。その中で特に多く言及された特徴は、次のようなものでした。
男の友情は驚くほど「ドライ」。でも信頼感はめちゃくちゃ厚い
「一緒に映画観て、ラーメン食って、二言三言話して『じゃあな』で解散。でも、それで十分“友達”なんだよ」
「2年ぶりに会っても、10時間後には『じゃあまた』って言って別々の道を行く。それでも“親友”なんだ」

あるユーザーは、男性の友情で重要なのは「お互いを理解したい」という気持ちではなく、「こいつ、俺と同じで中二病だな。波長が合うわ」「こいつと一緒にバカやるの、息がピッタリで最高」といった感覚だと指摘。複雑な心理的な駆け引きはなく、本質的に「ウマが合うからツルむ」というシンプルな関係性で、四六時中連絡を取り合う必要もなければ、「心で繋がりたい」といったウェットな欲求もない、とのことです。

この違いを、あるユーザーは「女性が書く男性の友情は、1メートル離れて向かい合っている感じ。でも、本当の男性の友情は、2人が隣に並んで同じ方向を見ている感じなんだ」と絶妙に表現しています。

多くの人が指摘するように、女性は友情を描く際に、無意識に「互いへのリスペクト」や「魂の交流」といった要素を盛り込みがちで、その結果、キャラクター間の距離感が恋愛関係に近くなってしまうのかもしれません。
しかし、実際の男性の友情は「ベタベタしないし、頻繁に連絡も取らない。でも、なぜか阿吽の呼吸で、信頼関係は異常なほど固い」。時には「義兄弟」や「家族」と呼べるほどの深さを持つ、この独特な関係性は、もしかしたら女性クリエイターには想像しにくいものなのかもしれません。

一連の話題は、最終的に壮大な文化研究のような様相を呈しました。九重さんは、寄せられた多くの意見に感謝を述べ、「自分の盲点がどこにあったか分かった気がします。BLと誤解されない男の友情を書けるよう頑張ります」とコメント。男女間の視点の違いが、こうした認識のギャップを生んでいるのかもしれませんね。
via: togetter