昨今、何かと話題の「AIイラスト」ですが、実は音声の分野でもAI学習が急速に進んでいます。自分の“声”が勝手に学習され、知らないところで使われてしまう…そんな声優さんたちの悩みに応えるべく、ついに大手事務所が動きました!
声優事務所の「81プロデュース」が、AI音声技術を手がけるElevenLabs Japanと12月15日に業務提携を発表しました。このタッグの目的は、日本の大切な「声優文化」を守りつつ、アニメなどのコンテンツを世界市場へさらに加速させることにあります。

81プロデュースといえば、青山吉能さん、上田麗奈さん、古賀葵さん、高橋李依さん、斉藤壮馬さん、そしてあの中尾隆聖さんなど、数多くの人気声優が所属する老舗事務所です。
近年、国内外で問題になっているのが、声優さんの声が無断で収集・学習され、商業利用までされてしまうケース。「声の価値をどう守り、どう活用していくか」は、業界全体が直面する大きな課題となっていました。今回の提携は、この問題に対する一つのアンサーと言えそうです。

今回の提携では、81プロデュースが所属声優の音声を公式に登録し、ElevenLabsの技術を使って、許諾を得たアニメやナレーションといった日本語コンテンツを多言語に変換していきます。
最大の注目ポイントは、なんと元の声優さんの声質や口調、感情表現をそのまま維持した状態で、最大29もの言語に対応できるという点。つまり、海外のファンも「あの声優さん本人の声だ!」と感じながら、母国語で作品を楽しめるようになるんです。これはアツい…!
さらに、両社は「ハイブリッド声優」という新たな概念も提唱。これは、日本語のオリジナル音声だけでなく、AIによって生成された多言語版の音声も持つ声優のこと。これにより、声優さんの活躍の舞台は日本国内にとどまらず、一気に世界へと広がることになります。世界中のファンが、オリジナルの声優の演技のニュアンスを保ったまま、それぞれの言語で作品を鑑賞できるようになるわけですね。

この提携が実現した背景には、AI技術の急速な発展に伴う、音声の盗用や不正利用といった問題の深刻化があります。声優の声は、長年にわたり日本のコンテンツ産業を支えてきた重要な資産。それをいかに守り、次世代へ継承していくかは、業界全体の大きなテーマでした。
設立45年、400名以上の声優が在籍する老舗の81プロデュースがこの一歩を踏み出した意義は大きいと言えるでしょう。一方、タッグを組むElevenLabsは、音声の真正性を証明する「Voice CAPTCHA」やデジタル透かし(ウォーターマーク)、C2PA規格に準拠した検証メカニズムなど、「声を守る技術」に強みを持っています。これらの技術により、多言語化されても声の出所は保証され、声優さんの繊細な演技が損なわれる心配もありません。

今後は、音声登録を行う声優の数を増やすだけでなく、アニメや映画、ゲームなど様々な分野への技術応用や、世界的な配信プラットフォームとの共同企画も進めていくとのこと。
この提携は、声優の権利保護、新たな収益モデルの創出、そして制作現場の負担軽減といった多くのメリットをもたらすことが期待されています。声優、クリエイター、制作サイド、そして我々ファンにとっても、まさに「四方よし」なこの取り組み。今後の展開から目が離せませんね!
via: 81 Produce