つくしあきひと先生が手掛ける『メイドインアビス』は、その可愛らしい絵柄とは裏腹に、過酷で予測不可能な展開と謎に満ちたアビスの世界観で、多くのファンを魅了している人気作品です。
先日、作者のつくしあきひと先生が自身のX(旧Twitter)で、ある一冊のナナチの同人誌を読んだことを報告。その同人誌は「まだ幼かった頃のナナチの思い出」をテーマに、温かく、どこか懐かしい幸せな日常が描かれていました。しかし、もちろんそんなエピソードは原作には一切存在しません。つくし先生が「原作にないあたたかい思い出が…」とポストしたことで、この投稿は瞬く間に拡散。「作者本人に存在しない記憶を植え付けるなw」「公式が二次創作に情緒を破壊されてる」と、ファンたちの間で大きな話題となりました。

話題の同人誌は、同人作家のおなや れおさんが制作した『またななち』。C107で頒布された新装版は、特殊加工やページの増量も行われ、『メイドインアビス』ファンの間で高い人気を誇る一冊です。内容は「もしもナナチが成れ果ての姿のまま子供時代を過ごしていたら」というIF設定で、原作ではありえなかった、あまりにも優しく幸せな時間が描かれています。


つくし先生はXで、感動を隠せない様子で次のようにポストしています。
「原作にないあたたかい思い出が100ページ近く描かれてて、読んでるとだんだん様子がおかしくなってくる。」ナナチの優しく、どこか懐かしい幸せな日常…原作では決して描かれることのなかった光景です…。
原作者本人からのまさかの反応に、作者のおなや れおさんも感動のコメントをポスト。
「ナナチが成れ果ての姿で幼少期を過ごすなんて100%ありえないことですが、そのありえない幸せを思い出にまとめました」と語っています。この大きな反響を受け、同人誌は現在完売しており、来月の再販が予定されているとのことです。

まさか原作者本人がこの同人誌を手に取るとは思ってもみなかったファンたち。コメント欄は「存在しない記憶」のミームで溢れかえりました。「作者の脳に直接存在しない記憶を刻み込むなw」「作者に溢れ出す存在しない記憶」「黎明卿の仕業か?」など、もはや二次創作の域を超えた「原作者への精神攻撃」だとネタにする声が続出しています。
中には「『メイドインアビス』では稀有な優しい奇跡」と評する声もありましたが、それゆえに本編の過酷さが際立ち、より一層切なさを感じさせます。

また、「原作者だからこそ『様子がおかしくなってくる』んだよな」という指摘も。多くの創作ファンや読者から、「これは同人作家にとって最高の褒め言葉」「ご本人に言われると破壊力が違う」といった声が上がっています。
一方で、「先生の原作の方がよっぽど人の様子をおかしくさせますよ!」という愛のあるツッコミも寄せられていました。

呪いと犠牲、そして絶望に満ちた『メイドインアビス』の世界。だからこそ、この「ありえなかったはずの優しい思い出」は、存在しないからこそ、より一層ファンの胸を締め付けるのかもしれません。作者本人をも揺さぶったこの一冊…つくし先生、あなたの描く物語は、本当に、あまりにも過酷すぎます…!
via: togetter