米国の人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』(以下、SNL)が2026年1月17日に放送した最新エピソードで、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』を題材にしたコントが物議を醸している。番組では、配信プラットフォームが人気IPを安易にスピンオフ化する風潮を皮肉る、一連の架空の外伝コントが披露された。
その一つ「Mike in Manhattan」は、『セックス・アンド・ザ・シティ』の語り口を模倣し、大人になったマイクがニューヨークで作家を目指す姿を描いたもの。フィン・ヴォルフハルト(マイク役)、ゲイテン・マタラッツォ(ダスティン役)、ケイレブ・マクラフリン(ルーカス役)が本人役で出演し、ファンからはキャラクターたちの成人後の再会として、当初は好意的に受け止められていた。
しかし、コントが放送されるとすぐさま反発が巻き起こった。最初に炎上したのは、ルーカスとマックスの関係に言及したセリフだ。マタラッツォとマクラフリンがルーカスとマックスの性生活について話す場面で、マクラフリンがルーカスのキャラクターとしてこう語った。
「まあ、マックスとは最初、すごく燃え上がったんだ。でも数年経つと、彼女はただ横になっているだけで、まるでまた昏睡状態に戻ったみたいだった」この会話が、昏睡状態の人間との性行為を暗示する悪質なものだと、多くの視聴者に解釈されたのだ。


あるネットユーザーはSNSで「SNLは一体何を考えてるんだ? ジョークはつまらないし胸糞悪い。昏睡状態を性的なネタにするなんて本当に不快だ」と痛烈に批判。また、「彼らがルーカスと昏睡状態のマックスがセックスしたとほのめかしている。この番組は一体どうなってしまったんだ?」と、より直接的な非難の声も上がった。

『ストレンジャー・シングス』本編で、マックスはヴィランのヴェクナとの戦いの末に昏睡状態に陥り、長い間生死の境をさまよっていた。この設定は、多くの視聴者にとってトラウマや喪失の象徴となっている。そのため、「あの昏睡ジョークは本当に奇妙だった。冗談に聞こえなくて、キャラクターの苦しみを食い物にしているように感じた」とコメントするファンもいた。
さらに、同エピソードでフィン・ヴォルフハルト自身が演じた別のコントも、放送後に議論を呼んだ。ヴォルフハルトは、『ストレンジャー・シングス』の撮影中に思春期を迎えたことに触れ、「女性器がどんなものか初めて知った」と大げさに語り、その直後にデモゴルゴンの花びらのような頭部が開く映像が流れるというものだ。
このコントが公開されると、ネット上では性差別的でミソジニー(女性嫌悪)的だとの批判が上がった。しかし一方で、これはSNLが長年用いてきた表現手法であり、誇張や意図的な不快感を通じて、思春期の不器用さや戸惑いを風刺しているのだと指摘する声もあった。
わずか数秒のうちに、ポリティカル・コレクトネスと計算されたコメディの境界線は曖昧になり、番組の表現の許容範囲と創作の自由をめぐる視聴者の議論に再び火をつけた。

このほか、SNLの別のコントでは、ウィルが登場しない理由を「彼のカミングアウトのシーンがまだ続いているから」とコメディタッチで説明し、回りくどい言葉遊びでその場面を意図的に引き延ばした。
このコントでは、ジェレミー・クーヘインが演じるウィルが次のようなセリフを言う。「みんな、僕は今『ゲイ』…じゃなくて、積極的に勇気を振り絞っているんだ。なぜなら真実は…僕はみんなを『ゲイ』…じゃなくて、情熱的に見つめているから。そして僕はD…Dが好きだ。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のことだよ、君たちと同じようにね」
このコントは再び怒りを買い、ある視聴者は「ウィルのカミングアウトシーンをネタにするなんて、全く面白くないし、リスペクトのかけらもない」と批判。別の視聴者は「クィアが笑いものにされ続けるのにはうんざりだ。ウィルはもっと良い扱いを受けるべき」と述べた。


また、ウィルを演じるノア・シュナップに同情する声もあり、キャラクターの最も繊細な成長の瞬間だけを切り取って嘲笑の的にするのは、特に辛いものがあると指摘。「他の3人の少年たちは揃っているのに、ウィルだけが笑いものにされている。気分が悪い」との意見もあった。
それでも、このコントを擁護する声も存在する。風刺の対象はキャラクター自身ではなく、ドラマ本編の感情的なシーンの繰り返しやテンポの悪さだという意見だ。
しかし、『ストレンジャー・シングス』完結後の賛否両論や、陰謀論がくすぶり続ける中で、今回のパロディがファンの敏感な神経に触れてしまったことは明らかだ。