ゲームブランド「TYPE-MOON」がまだ同人サークルだった時代、その名を一躍世に知らしめたのが、伝奇ビジュアルノベルゲーム『月姫』です。その衝撃的なストーリーは大きな話題を呼び、TYPE-MOONが商業ブランドへと飛躍するきっかけとなりました。
そんな『月姫』のメインヒロインであるアルクェイドですが、彼女のモデルとなったとされるカナダ人モデルのAmanda Dyerさんが、自身のX(旧Twitter)で「アルクェイドにインスパイアされた」という写真を投稿し、ファンの間で大きな話題を呼んでいます。

『月姫』のヒロイン、アルクェイドのデザインについては、キャラクターデザイナーの武内崇氏が2001年の時点で言及していました。なんでも1996年にキャラクターをデザインした際、とある雑誌の表紙に写っていた外国人女性をイメージソースにしたとのこと。しかし、当時は表紙の一部が公開されたのみで、武内氏自身もモデルの素性を知らなかったため、この話は長年ファンの間で「都市伝説」として語り継がれてきました。
しかし2024年9月、海外ファンの調査によってついにその雑誌の正体が判明! 表紙を飾っていたのが、当時15歳で日本で活動していたカナダ人モデルのAmanda Dyerさんであることが特定されたのです。
▼ 2024年に海外掲示板Redditのユーザーによって、モデルの情報が特定されました。

▼ こちらが当時、武内氏が公開した画像。長年、このモデルの正体は謎に包まれていました。

▼ そしてファンによって探し当てられたのが、雑誌『SPUR』1996年3月号の表紙でした。

驚くべきことに、Amanda Dyerさん本人はこれまで『月姫』やTYPE-MOONの存在を全く知らず、自分がキャラクターデザインの元ネタになっていたことにも気づいていなかったそうです。海外メディア「Anime Trending」が2025年7月18日に公開したインタビューで、アマンダさんは真相を知った時の心境を語っています。
彼女によると、Facebookのダイレクトメッセージで自分がモデルであることを知らされたそうで、「自分の全く知らないところで、このキャラクターと物語がまるでパラレルワールドのように存在し続けていたことを知り、本当に衝撃を受けました」とコメント。その後、自身で『月姫』やTYPE-MOONの作品に触れ、すっかりファンになってしまったとのこと。
▼ 現在、アマンダさんのXのプロフィールには「Real life Arcueid(リアル・アルクェイド)」と記載されています。

そして最近、アマンダさんは自身のクローゼットにある服でコーディネートしたという写真を投稿。アルクェイドを彷彿とさせる、シンプルかつエレガントなスタイルを披露しました。投稿には「Sometimes art imitates life. Sometimes life leans into it.(アートが人生を模倣することもあれば、人生がアートに寄り添うこともある)」という素敵な一文が添えられています。
アルクェイドの服装はシンプルで日常的なデザインとして知られているため、ファンからは「元ネタになったモデルさんなんだから、そりゃクローゼットに似た服があってもおかしくないよねw」といった微笑ましいコメントも寄せられています。
アマンダさんはファンコミュニティからの反応にとても好意的で、コメントにも積極的に返信しています。あるファンから「フェンスに座って撮ったら、もっとアルクェイドっぽくなりますよ!」と提案されると、「次にプロの撮影があったら、そのアイデアを参考にさせてもらうわ」とユーモアたっぷりに返すなど、キャラクターを通じたファンとの交流を心から楽しんでいる様子が伝わってきます。

過去に投稿された日常の写真でさえ、偶然にもアルクェイドのキャラクター設定を思わせるような雰囲気を醸し出しており、アマンダさん自身も「20年以上も経ってからこんな事実を知るなんて、本当に不思議な気分」と面白がっているようです。
アマンダさんは、アルクェイドのキャラクター設定と自身の人生に奇妙な共通点があるとも感じているそうです。例えば、若い頃から吸血鬼の物語が好きだったこと、長年不眠症に悩まされていること、そして性格もアルクェイドに似ている点があるのだとか。さらに、初めてアルクェイドの服装を見た時には「私のクローゼットに、本当にそっくりな服があるわ」と思わず笑ってしまったそうで、この奇跡のような物語のきっかけになれたことを、とても光栄で面白いと感じていると語っています。

ファンによって長年の謎が解き明かされ、モデル本人も作品のファンになるという、TYPE-MOONファンにとっては何とも胸が熱くなるエピソードとなりました。アマンダさんは今後も、ファンと自身が楽しめるような「アルクェイド風」のコーディネートに挑戦していきたいと語っており、今後の投稿からも目が離せませんね!