Netflix版『デビルメイクライ』製作総指揮、ゲーム原作ブームに警鐘。「ほとんどはブランドロゴを貼っただけの駄作になる」

近年、ゲーム原作の映像化が再びハリウッドのトレンドになっています。『ゼルダの伝説』、『ELDEN RING』、『コール オブ デューティ』、『ゴッド・オブ・ウォー』、『メタルギアソリッド』、そして『It Takes Two』など、数多くの人気タイトルについて映画やドラマシリーズ化の企画が進行中であると報じられています。

しかし、Netflixで配信予定のアニメシリーズ『デビルメイクライ』で製作総指揮を務めるアディ・シャンカル氏は、最近のインタビューでこのブームに対してかなり悲観的な見方を示しました。

シャンカル氏は海外メディア『GamesRadar+』のインタビューに応じ、現在発表されているゲーム原作プロジェクトのほとんどは、最終的に完成しない可能性が高いとコメント。たとえ無事に公開されたとしても、成功と呼べる作品はごくわずかだろうと予測しています。彼によれば、問題はいわゆる「ゲーム原作の呪い」ではなく、映像業界の重役たちがゲームというメディアの特性を全く理解しておらず、人気作品を単に拡大可能なブランドやロゴとしてしか見ていない点にあると指摘します。

「最終的に世に出るゲーム原作のほとんどは、どうしようもなく残念な出来になるだろうね」とシャンカル氏は続けます。多くの成功したゲームは、ある規模に達すると、もはや最初のクリエイターたちの手から離れ、企業やブランドマネージャーによって管理されるようになるためです。

「大成功を収めたゲームを見てみると、もはやそれを作った本人たちが運営しているわけじゃない。企業が引き継いで、ブランドマネージャーを任命して管理させているんだ。そうだろう? ゲームがブランドとしてあまりにも長く運営されると、その段階でただの“ロゴ”になってしまう」とシャンカル氏は語ります。「そうなると、もう色々なモノにそのロゴを貼り付けていくだけ。無数のスピンオフやスマホゲームが生まれて……。なるほど、今やすべてがブランドなんだな、と。そうなると、『キャプテン・クランチ』(※アメリカの有名なシリアルブランド)の映画はまだか?って話になるわけさ」

ゲームが長期間にわたってブランドとして扱われると、最終的には様々な製品に貼り付けられる単なるロゴと化し、スピンオフやスマホゲーム、多種多様な商品化が行われるだけになってしまう、というわけです。

近年では『The Last of Us』や『Fallout』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』といった作品がゲーム原作映像化の新たな可能性を示した一方で、『ボーダーランズ』や『マインクラフト・ザ・ムービー』、『スーパーマリオ』の映画作品などの評価が振るわなかったこともあり、「ゲーム原作の呪いは解けた」という風潮に再び疑問を投げかけています。

また、海外メディアは『Fallout』が原作の新たなアプローチを示したとも指摘しています。これは、ゲームのストーリーを直接なぞるのではなく、原作の世界観の中で全く新しい物語を描くという手法です。この方法なら、ゲームの核となるインタラクティブ性を失うことなく、シリーズを象徴する要素を活かすことができます。しかし、制作チームの扱い方次第では、原作ファンから「原作の世界観を歪めている」と批判されるリスクもはらんでいます。

最後にシャンカル氏は、90年代からコミックやゲーム原作の映画・ドラマ化企画は数えきれないほど発表されてきたが、その多くが実現しなかったと振り返ります。ゲームの映像化にはあまりにも多くの利害関係者が関わっており、「ゲームを映像化する」と発表するのは簡単でも、それを実際に完成させ、かつ良質な作品に仕上げることが最も難しい部分なのだと締めくくりました。


via: TheGamer