「ポテチの袋、なんで透明じゃないの?」Xで巻き起こった素朴な疑問に専門家が続々回答「実はスゴい技術の結晶だった」

大手菓子メーカーのカルビーが、中東情勢の影響によるインクなどの資材供給不安を理由に、一部商品のパッケージを白黒2色のシンプルなデザインに変更すると発表し、ネット上で大きな話題となっています。

このニュースをきっかけに、X(旧Twitter)ではとあるユーザーが「透明なポテトチップス」のパッケージ画像を投稿。「ぶっちゃけこれで良くない?」という素朴な疑問を投げかけたところ、思わぬ大論争に発展。ついにはパッケージデザインや食品開発に携わる業界関係者が続々と降臨し、その裏側を解説する事態となりました。

▼ 近日、白黒パッケージに変更されたカルビーのポテトチップス。

発端となったのは、「ポテチの袋ってこれでいいと思う」というコメントと共に投稿された一枚の画像。そこには、中身が丸見えのほぼ透明なポテトチップスの袋が写っていました。

インク問題なんて気にせず、シンプルでいいじゃないか、という意図だったようです。

投稿主は後に「透明にできない理由はわかってます(笑)」と冗談めかして追記しましたが、この投稿は瞬く間に拡散され、大きな議論を呼びました。

この疑問に対し、商品開発やパッケージデザインに携わった経験があるというユーザーのmasaさんが出面で詳しい解説をポスト。それによると、ポテトチップスの袋の内側にある銀色の部分は、実は「アルミ蒸着フィルム」という特殊な素材なのだとか。このフィルムは、光を遮るだけでなく、酸素や水蒸気の侵入を防ぎ、中身のポテチが酸化してしまうのを防ぐという超重要な役割を担っているのです。

masaさんによれば、一般的な透明の袋はPETとポリエチレンの二層構造がほとんど。しかし、ポテトチップスのように薄くて油分を多く含むデリケートな食品は、アルミ層を加えた多層構造でなければ品質を保つのが難しいのだそうです。

さらにmasaさんは、多くの人がパッケージデザイン=見た目や美術的な部分と考えがちですが、実際には材料科学や保存技術といった専門知識が不可欠だと指摘。「商品開発やパッケージデザインの担当者は、素材に関する知識もたくさん勉強しないといけないんです」という言葉に、多くのユーザーから「知らなかった!」「勉強になる」といった驚きの声が上がりました。

また、以前に印刷関連の仕事に就いていたという別のユーザーも、ポテチの袋の銀色の部分が、遮光、酸素バリア、防湿、油脂の酸化防止といった重要な機能を担っていると解説。もし透明な袋にしてしまうと、スーパーの照明に照らされているだけで、どんどん品質が劣化してしまうとのこと。

つまり、今回のカルビーの「黒一色印刷の簡易パッケージ」という判断は、まさに「見た目を犠牲にしてでも、中身の品質を最優先する」という企業努力の表れだったわけですね。

この一連のやり取りを見て、年配のユーザーからは「昔のポテチの袋には、中身が見える透明な窓があったよね」といった懐かしい思い出も寄せられました。しかし、当時はお菓子が湿気りやすく、開封したらすぐに味が落ちてしまった、という意見で一致。

その後、アルミ蒸着パッケージが普及したことで、スナック菓子の保存性は飛躍的に向上したのです。「透明な袋からアルミの袋に進化した時代をリアルタイムで経験した」と語るユーザーもいました。

さらに、「無印良品や100円ショップで売られているポテチは、確かに保存がききにくい気がする。あれは透明な袋を使っているからだったのか!」と、身近な例を挙げて納得する声も。

「透明な袋のほうがおしゃれじゃない?」という何気ない疑問から始まった今回の議論は、期せずして食品パッケージの技術を学ぶ貴重な機会となりました。多くのネットユーザーが「たかがポテチの袋一枚に、こんなスゴい技術が詰まっていたなんて…」と感心しきり。私たちがいつでも美味しくて、長持ちするスナック菓子を手軽に楽しめるのも、こうした技術の進歩のおかげなんですね。

via: x@1amageek