なぜ猫はカリカリを残すのか? 岩手大学の研究で判明した意外な理由、「匂いへの慣れ」が食欲を低下させていた!

猫と暮らしている皆さん、こんな経験はありませんか? ウチの猫様が、いつもごはんをちょっとだけ残したり、二口三口食べただけでプイッといなくなってしまったり……。これってただの選り好み? それともワガママ? なんて、首をかしげてしまいますよね。
そんな猫好きの悩みに答えてくれるかもしれない、興味深い研究が岩手大学農学部の宮崎雅雄教授によって発表されました。テーマは、ずばり「なぜ猫はごはんを残すのか?」です。


研究によると、猫は毎食まったく同じフードを与えられていると、食べる量が目に見えて減っていくものの、新しいフードに切り替えた途端に食欲が回復する傾向があることが分かりました。

この原因をさらに詳しく探るため、宮崎教授は特別な「二層式のフードボウル」を開発。このボウルは、下の層に入れたフードの匂いが上に漂ってくるものの、猫が実際に口にできるのは上の層のフードだけ、という仕組みになっています。


実験では、猫を2つのグループに分け、両グループのボウルの上下ともに同じフードを入れます。すると案の定、時間が経つにつれて両グループの猫の食欲は落ちていきました。
ここで、片方のグループだけ、こっそりと「下の層のフード」を別の種類のものに交換。これにより、漂ってくる匂いだけが変化したのですが、なんと新しい匂いを嗅いだ猫たちの食欲が、徐々に回復していったのです。しかし、両グループの猫が実際に食べているのは、これまでと全く同じ上の層のフード。この結果は、たとえフードそのものを変えなくても、食事の際に猫が嗅ぐ「匂い」を変化させるだけで、すぐに食べるのをやめてしまう現象を改善できることを証明しました。

宮崎教授によると、猫は「嗅覚の順応」を起こしやすい習性があるとのこと。特定のフードの匂いに慣れてしまうと、お腹はまだ空いているはずなのに「もういらない」と感じてしまい、食べるのをやめてしまうのです。そこに新しい匂いという刺激が加わることで、再び食事への興味をかき立てることができる、というわけですね。


病気などの理由で、特定の「療法食」しか食べられない猫もたくさんいます。宮崎教授は、この発見を応用すれば、匂いを変えるというアプローチで、食欲が落ちた猫でもごはんを食べてくれるようになるかもしれない、と語っています。
もし今度、お家の猫様がごはんを残してしまったら、この「匂いマジック」を試してみるのもアリかもしれませんね。猫の様々な習性の裏側を解き明かす、宮崎教授の今後のさらなる研究にも期待が高まります!

via: テレビ岩手新聞