ワールドカップの熱狂が世界中を包む中、日本では人気サッカー漫画『BLUE LOCK ブルーロック』のとあるシーンがX(旧Twitter)で再び掘り起こされ、大きな話題となっています。
物語の序盤、主人公たちが参加する「青い監獄(ブルーロック)プロジェクト」の責任者である絵心甚八が、本田圭佑選手や香川真司選手といった実在の日本代表選手を名指しし、「W杯優勝してない?」「ならゴミだろ」と一刀両断するシーン。この過激な描写は連載当初から物議を醸していましたが、ワールドカップ開催を機に再び注目を集め、炎上騒ぎに発展しています。

▼ 近日、Xで再びトレンド入りした『ブルーロック』

議論が再燃した背景には、ワールドカップ期間中にJFA(日本サッカー協会)が『ブルーロック』とコラボレーション企画を実施していることも影響しているようです。国民的サッカー漫画として扱われる一方で、一部のサッカーファンからは「実在の選手を貶めるような描写は不快だ」「代表とコラボする資格があるのか」といった厳しい声が上がっています。

この流れで、連載初期に炎上した問題のシーンが再び拡散。青い監獄プロジェクトの責任者「絵心甚八」が、実在の日本代表である本田圭佑選手や香川真司選手(作中では名字のみですが、サッカーファンなら誰のことか一目瞭然です)を、「W杯優勝の経験がないなら、ゴミだろ?」と痛烈に批判する内容に、再び大規模な議論が巻き起こっているのです。



サッカーファンからは、「過激なキャラクター設定自体はフィクションとして理解できるが、実在の選手を貶めてキャラを立てるのは違う」という意見が多数。Xでは「『弱虫ペダル』の御堂筋くんみたいな性格悪いキャラはOKだけど、実在の人物をdisるのはマジで不快」「もし野球漫画で『イチロー?ホームランも打てねぇ雑魚だろ』とか言われたら即単行本燃やすわ」といった、他の作品に例えた分かりやすい批判も投稿されています。

また、「『イナズマイレブン』では、元日本代表の中田英寿さんをモデルにしたキャラが最強格として描かれていた。それに比べると…」と、他作品の扱いと比較する声も見られました。

そもそも「W杯優勝経験がなければゴミ」という絵心の理論自体が破綻しているのでは?というツッコミも殺到。『ブルーロック』の連載が開始された当時、あのメッシ選手やクリスティアーノ・ロナウド選手ですらW杯優勝経験はありませんでした。
「この理屈だとネイマールもハーランドもモドリッチもC・ロナウドも全員ゴミってことになるなw」「連載当時はメッシも優勝してなかったから、絵心さんから見たらメッシもゴミだったってこと?」といった、冷静な指摘が相次いでいます。
このため、「キャラクターの尖った思想を表現したいなら、架空の選手を例に出せばよかったのでは?」と、作者の表現方法に疑問を呈する読者も少なくありません。

興味深いことに、この問題のシーンはアニメ化された際に大幅な変更が加えられています。実在選手の氏名はぼかされ、問題のセリフもカットされました。アニメ放送後、Jリーグとのコラボも積極的に行っていることを考えると、当然の配慮と言えるかもしれません。
しかし、この対応が逆に火に油を注ぐ結果に。「漫画で散々煽っておいて、アニメでは全カットかよ。炎上するって自覚あったんじゃん」「尖った作風でいくなら貫き通せばいいのに。選手をdisりながら公式とコラボするのはダサい」など、その姿勢を批判する声も上がっています。


本田・香川両選手への言及だけでなく、作中に登場する「上層部の言いなりで無能な監督」が、日本代表の森保一監督を揶揄しているのではないか、と指摘するファンもおり、議論はさらに広がりを見せています。

一方で、『ブルーロック』のファンからは擁護の声も上がっています。「批判してる人は問題のシーンの切り抜きしか見てない」「あれは『世界一のストライカーを育成する』という作品のテーマと、絵心甚八というキャラの異常性を読者に叩き込むための重要な導入部分」といった意見です。
ファンは、絵心というキャラクターが、日本のサッカー界に蔓延する旧態依然とした考え方を破壊するために設定された「狂言回し」であると主張しています。

「世界観を説明するための重要なシーンなのは分かるけど、好き嫌いが分かれるのは仕方ない。でも存在価値がないわけじゃない」と解説する読者も。とはいえ、擁護派のファンの中にも「ファンだけど、正直あのセリフはない方が良かったかも…」と、表現の過激さを認める声は少なくないようです。

今や日本を代表するサッカー漫画となり、日本代表やJリーグとの公式コラボも展開する『ブルーロック』。ワールドカップの盛り上がりによって、連載初期の尖った表現が再びクローズアップされる形となりました。
ワールドカップの熱狂がきっかけで再燃したとはいえ、連載当時からくすぶっていた火種であることは事実。今回の騒動、しばらくは議論が続きそうです。
via: X@wktk999