『オデュッセイア』の“現代語”セリフが物議 ノーラン監督、脚色の方針に初言及「求めたのは、地に足の着いた物語」

クリストファー・ノーラン監督が手掛ける新たな史劇大作『オデッセイ』が、今月いよいよスクリーンに登場する。批評家からの最初のレビューは非常に好意的で、夏の注目作の一つとして期待されているが、正式公開を前に、キャスティングや歴史的正確性、そしてセリフの言葉遣いをめぐって、すでにネット上で議論が巻き起こっている。

『オデッセイ』は、ホメロスの同名の古代ギリシャ叙事詩を原作としており、その起源は紀元前8世紀または7世紀頃にまで遡る。しかし、今回の映画化では古典的で難解な言葉遣いは採用されず、現代的な英語のセリフで描かれ、俳優陣もアメリカ英語のアクセントで演じている。この選択に対し、一部の観客からは、ノーラン監督が若い層を引きつけるために、原作の文学的な深みを意図的に単純化したのではないかという疑問の声が上がっている。

この点について、ノーラン監督は先日、『ロサンゼルス・タイムズ』のインタビューで初めてこの論争に言及し、自身が本当に重視しているのは、言葉と観客の感情的なつながりだと語った。

「私が優先して使いたいのは、人々にとって知的な意味を持つ言葉ではなく、感情的な意味を持つ言葉なのです」と彼は語り、さらにこう続けた。「私は甘かったのかもしれないし、この判断が裏目に出る可能性もある。しかし、私が求めたのは、地に足の着いた物語なのです。私にとって、これはごく自然な選択でした」

セリフのスタイルに加え、ノーラン監督は豪華な第一線の俳優陣を起用した理由についても語った。彼は、『オデッセイ』の登場人物は「皆が神話上の人物であり、ある意味で象徴的な存在」であると指摘。そのため、より知名度の高いキャストにその役を託したかったと述べ、「キャストを豪華にし、最高の俳優たちを集めたかったのです」と明かした。

『オデッセイ』は最も古い文学作品の一つを原作としているが、ノーラン監督は物語そのものが現代社会と共鳴する部分があると考えている。彼は映画の世界について次のように語った。「最初は見慣れない、まるで別世界のように感じるかもしれません。しかし、やがてそうではないことに気づくのです。現代社会は、こうした物事が決して変わっていないという事実を、不穏な形で私たちに突きつけてきます」

『オデッセイ』のキャストには、マット・デイモン、トム・ホランド、ゼンデイヤ、ロバート・パティンソン、ルピタ・ニョンゴ、アン・ハサウェイ、シャーリーズ・セロンらが名を連ねる。映画は2026年7月17日に全世界で劇場公開予定。


via: Los Angeles Times