
「機龍、もう戦わなくていい…」
先日、長らく再販が待たれていたS.H.MonsterArtsの3式機龍が、「Movie Graphic Plus」シリーズとしてリニューアル発売されるというニュースが飛び込んできました。この発表を機に、20年以上経った今も色褪せない魅力を持つこのメカゴジラのことを思い出したファンも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2023年に発売された「超合金魂」版の3式機龍を改めてレビュー。現在でも最高峰の完成品トイとして君臨する本アイテムですが、発売から時を経て価格も落ち着き、コレクションに加えるには絶好のタイミングとなっています。
パッケージ背面には、各種ギミックや、劇中の名シーンを再現できる付属パーツが紹介されています。
デザインは、オリジナルデザイナーである西川伸司氏が自ら監修。当時のデザイン画からは、現在のシャープで力強いイメージへと進化していく創作の過程を垣間見ることができます。
砕け散るまで戦え!
早速、開封していきましょう!箱から取り出すと、ずっしりとした重みが手に伝わってきます。これぞ超合金魂の醍醐味です。
「超合金魂」版の機龍は全高約23cm。格納庫をイメージした専用台座が付属します。本体の緻密なディテールに比べると台座の作りはややシンプルですが、ディスプレイの臨場感を高めるのに一役買ってくれます。
造形は劇中のマッシブなプロポーションを忠実に再現。工場から出荷されたばかりのような、メタリック粒子が輝くシルバー塗装が施され、各部のマーキングもタンポ印刷で精密に再現されています。そして、魂を宿す目の発光ギミックが、画竜点睛の仕上がりです。
頭部パーツを取り外すと、内部には高輝度の白色LEDが2灯搭載されています。
交換用の頭部パーツにより、通常時のイエローの瞳、暴走時の赤い瞳、そしてダメージを受け修復された状態の3種類を再現可能。クリアパーツの内側には光を拡散させる塗装が施されており、LEDの光が点光源にならず、全体が均一に発光するよう工夫されている点は素晴らしいです。

欲を言えば、頬を走る赤いラインも発光すれば完璧でした。
もう一つの発光ギミックは胸部に内蔵。必殺兵器「アブソリュート・ゼロ」です。胸部左下のスイッチを押すと、まばゆい黄色の光が放射されます。
光は明滅を繰り返し、最後に鮮やかな青い光を放った後、ゆっくりと消えていきます。
続いて各部のディテールを見ていきましょう。首の後方には、オペレーターの家城茜が乗り込んだメンテナンスハッチがモールドとタンポ印刷で再現されています。
関東一円を停電させてまで電力を集め、支援機「しらさぎ」からマイクロウェーブで背びれにエネルギーを送り、3式機龍を再起動させたあの名シーンが蘇ります。
プレイバリューの面では、交換用手首が軟質素材製の握り拳1種類のみというのは、少し物足りなさを感じます。塗装は丁寧ですが、ポージングの幅が狭まってしまうのが残念です。
可動範囲も、もう一つのウィークポイントです。特に股関節の可動域が狭く、脚を大きく開いた迫力あるポーズを取らせるのが難しく、やや不自然な立ち姿になりがちです。
幸い、大腿部のスラスターは差し替えなしで展開ギミックが楽しめます。
スラスターの可動角が、脚の可動域よりも広いというのは、なんとも皮肉な話です。
合金パーツのほとんどは下半身に集中しており、足首のずっしりとした重さが高い安定性を生み出しています。
この安定性のおかげで、多関節でフレキシブルに可動する長い尻尾を大きく振ったダイナミックなポージングでも、しっかりと自立させることができます。
本体のレビューはこのくらいにして、続いて付属のオプションパーツを見ていきましょう。
まずはバックユニットです。全体的に成形色がメインでウェルドラインがやや目立ちますが、細かな部分塗装が施されているため、単調な印象にはなっていません。
バックユニットを取り付ける際は、まず背中上部の3枚の背びれを取り外します。
次に、下側の背びれを避けながら角度を合わせ、ジョイントにしっかりと差し込みます。
最後に、両腕にケーブルと伸縮式の砲身を持つ「0式レールガン」を接続すれば、重武装形態の3式機龍が完成!アオシマから発売されているプラモデル版と比較すると、可動範囲では譲るものの、プロポーションや質感の表現力はこちらに軍配が上がると言えるでしょう。
3式機龍 重武装形態
それでは最後に、劇中の名シーンを再現したカットで締めくくりたいと思います。
ゴジラの咆哮に、眠っていた魂が共鳴する…!
この瞬間…何かが…キレる…!
暴走!!!
暴走状態
品川での決戦。放射熱線を放とうとするゴジラに対し、敢行された決死の突撃を再現!(「来るなァ!」という悲痛な叫びが聞こえてきそうです)。

展開したメーサー・ブレードで追撃!さらに高圧電流を叩き込む!

さて、総評です。この「超合金魂 3式機龍」は、可動範囲などアクションフィギュアとしてのプレイバリューには改善の余地があるものの、劇中イメージを忠実に再現したプロポーション、重厚な塗装表現、そして目を引く発光ギミックなど、ディスプレイモデルとしての完成度は非常に高いです。じっくりと飾って楽しみたいゴジラファンにとっては、見逃せない逸品と言えるでしょう。
映画のラスト、ゴジラとの死闘の果てに大破しながらも、夕日を背に佇む機龍。神に代わらんとする人類の傲慢と、大自然の猛威との戦いは、まだ終わらない……