マーベル・コミックスが、創立から約90年を経て、長年アメリカのコミック産業の中心地であったニューヨークに別れを告げ、コミック部門とブランド部門をカリフォルニア州バーバンクに移転することが明らかになった。『The Hollywood Reporter』の独占報道によると、この決定はマーベルのニューヨーク・ミッドタウンオフィスの従業員会議で発表されたもので、今後は出版事業をマーベル・スタジオやディズニー本社の所在地に移すという。

今回の移転に伴い、経営陣の刷新も行われる。マーベルに15年以上在籍し、『スパイダーマン』や『スーペリア・スパイダーマン』の時代に携わったスティーヴン・ワッカーが、マーベル・コミックスの新編集長に就任。2017年から同職を務めてきたC.B.セブルスキーの後任となる。セブルスキーは日本へ拠点を移し、アジア太平洋地域のオリジナルグラフィックノベルやコミックコンテンツを担当する予定だ。
マーベルのテレビ、アニメーション、コミック、ブランド部門を統括するブラッド・ウィンダーバウムと、コミック&ブランド部門のゼネラルマネージャーであるデヴィッド・アブドは社内向けの書簡で、今回の移転によってコミックチームがより広範なクリエイティブ組織と肩を並べて協力できるようになり、「業界最高のコミックを作り続ける」ことを目指すと述べている。

ニューヨークは長年、アメリカのコミック産業発祥の地と見なされてきた。マーベルの前身であるタイムリー・コミックスやアトラス・コミックスは42番街に拠点を構え、スタン・リー、ジャック・カービー、スティーブ・ディッコといったクリエイターたちもこの街と深く結びついている。スパイダーマン、ファンタスティック・フォー、アベンジャーズといったキャラクターたちも、ニューヨークをマーベル・ストーリーの象徴的な舞台としてきた。
マーベルは、ニューヨークのコミック部門とブランド部門に所属する約100名以上の従業員に対し、2027年7月までにカリフォルニアへ移転するよう求める見込みだ。ライバルのDCが2015年にバーバンクへ移転して以来、ニューヨークから大手コミック出版社の本社が姿を消すことになる。
via: THR