日本のソシャゲ業界、倒産が過去最速ペースで増加中! 飽和市場と高騰する開発費で「サ終」が止まらない?

スマホが一人一台の時代、モバイルゲームはまさに百花繚乱! 一つのIPから複数のソシャゲがリリースされることもザラで、市場の競争は想像を絶するほど激化しています。

そんな中、帝国データバンクがスマホアプリゲームの開発・運営を手がける業者(以下、スマホゲーム業者)の倒産動向調査を実施しました。なんと、今年1月から7月までの期間で、すでに10社のスマホゲーム業者が倒産しているとのこと。これは昨年の年間倒産数3社を大幅に上回るだけでなく、過去最多だった2015年(12社)のペースをも凌駕しており、今年の年間倒産数は過去最高を更新する見込みだそうです。

過去5年間に倒産したスマホゲーム業者29社を分析すると、資本金1000万円未満の小規模業者が最も多く、15社(全体の51.7%)と半数を占めています。中には、ゲーム運営を請け負っていたものの、大手ゲーム会社が開発から撤退した影響などで、委託案件を失い、最終的に経営破綻に至ったケースも少なくないようです。

近年、スマホゲーム市場では、人気アニメ作品を題材にしたり、大規模な宣伝を投入したりと、鳴り物入りで登場した大型タイトルでさえ、突然の「サ終」(サービス終了)を発表するケースが頻発しています。

直近の典型的な事例としては、今年7月に破産手続きを開始した東京・豊島区のゲーム会社「Ambition」が開発・運営していた、人気アニメを題材にした『文豪ストレイドッグス 迷ヰ犬怪奇譚』が挙げられます。なんと、会社が破産申請する前日にサービス終了を発表。告知からサービス停止までわずか1日という異例の事態に、プレイヤーは騒然となりました。さらに、未使用の有償ゲーム内通貨「異能石」の返金対応は行わないと発表されたことで、その対応を巡って混乱が広がり、SNSなどでも大いに話題を呼びました。

また、数年間運営を続けてきたゲームでも、収益を維持するのが難しくなり、最終的にサービス終了となるケースも少なくありません。スマホゲーム業界は、もはや「一発当てれば億万長者」という時代から大きく変化しているのです。

スマホゲーム市場は、だいたい2015年頃から、ブラウザゲームから「ネイティブアプリ」へと主流が移り変わっていきました。その結果、元々ウェブゲームを主軸としていた業者にとっては、大規模な淘汰の波が押し寄せた形です。

その後、コロナ禍で巣ごもり需要が増え、ゲーム需要が伸びたことや、日本政府による「ゼロゼロ融資」(無利子・無担保融資)などの手厚い政策支援もあり、業界の淘汰の動きは一時的に緩やかになりました。しかし、3Dグラフィックやフルボイスといった技術が次々と導入され、ゲーム内容が複雑化するにつれて、ゲーム制作人材の慢性的な不足も相まって、今や一本のゲームの初期開発費用が数億円規模にまで膨れ上がることもザラです。

その一方で、ゲームはリリースしたら終わりではありません。新キャラクターの追加やイベント開催など、継続的な運用が必要となるため、維持・運営コストも相当なものになります。さらに、長年運営されている超人気タイトルや、既存IPを活用したゲーム、そして中国や韓国など資金力・開発力ともに潤沢な海外企業からの猛烈な競争にも晒されています。こうした状況から、大手企業でさえもヒット作を生み出すのが難しくなり、ゲームで収益を上げるのが一層困難になっているのが現状です。

帝国データバンクは、「現在、スマホゲームのリリース数は非常に多く、すでに飽和状態にある市場で、ゼロからオリジナル作品をヒットさせるのは極めて困難です。今後は、『ゲーム』の開発のみに特化した純粋なゲーム開発会社にとって、一層厳しい時代になるでしょう。」とコメントしています。

要するに、今のスマホゲーム市場は「一本のゲームを作って、それがバズれば大儲け」という時代ではない、ということ。開発コストは高騰し、運営コストもかさみ、人材も不足。さらに国内外の競争も激化する中で、たとえ大企業がバックについていても、ゲームの長期的な存続は保証されません。これが、近年「サ終」が頻繁に発表されるようになった重要な背景の一つとなっているわけですね。

via: PR TIMES