飲食店による「生成AIポスター」に批判殺到…「実物を撮らない店には行かない」とSNSで議論勃発

近年、広告やデザイン、プロモーション素材において生成AIの活用が急速に広がる中、日本の飲食業界でもAIで生成した料理画像やポスターを導入する店舗が増加。大手コンビニエンスストアチェーンなどでも採用事例が見られるようになっています。

しかし先日、日本のX(旧Twitter)上で「AI生成画像を使う飲食店が増え、本来商品に含まれていない要素まで混入していて理解に苦しむ」といった投稿が話題に。「生成AIでポスターを作っている飲食店には極力行かない」と語るユーザーも現れ、SNS上で大きな議論を巻き起こしています。

発端となったのは、あるキッチンカーの看板写真を共有した投稿でした。看板に掲載された「トマトと卵の炒め丼」の写真には、あからさまに「とろ〜り伸びるチーズ」の描写が。しかし、実際のメニューにはチーズが一切使われておらず、実物の写真ではなくAIでゼロから生成された商品イメージであることが判明。「なぜ実物と違う画像をそのまま使うのか理解できない」と疑問視されました。

この話題に呼応するように、別のユーザーも「生成AIポスターを掲示する飲食店が増えているが、極力そういう店には行かないようにしている」と投稿。その理由として、「AIが生成した画像や文言を、自分の目や感性でしっかり確認すらしない姿勢の店に、美味しい料理を提供できるとは思えない」と指摘しました。

さらに、「『これくらいでいいでしょ?』という手抜き感や、客が『この程度のクオリティで納得する客』として軽く見られているように感じてしまう」と率直な心境を吐露。この意見に多くのネットユーザーから強い共感が寄せられました。

同ユーザーはまた、「明らかに見た目が不自然なのに、AIだからと見過ごしてそのまま使う姿勢」に違和感を表明。世の中には写真やイラストの優れたスキルを持つプロがいるにもかかわらず、こうした質の低いAI画像の安易な導入が、本物のクリエイターの仕事を奪ってしまうことへの懸念も投げかけました。

騒動を受け、当該のキッチンカー「GOTOU kitchen car」は公式SNS上で謝罪文を発表。看板にAI生成画像を使用したことで、チーズが入っているかのような誤解を招いてしまった事実を認めました。

店舗側は「実際の具材は卵とトマトのみで、チーズは使用しておりません」と説明し、今後は看板およびSNS上のすべての画像を実物を撮影した写真へ差し替える方針を明らかにしました。

多くのネットユーザーは、飲食店プロモーションの基本は自店で作った本物の料理を撮影することであり、AIでゼロから架空の料理画像を生成するのは本末転倒だと指摘。「実際に作った料理の写真を撮って、それをAIでデザイン加工してポスターにすればいいのに、なぜ料理そのものをゼロからAIに作らせるのか?」といった疑問の声が相次ぎました。

また、「自分が作った料理をまともに見ていない証拠ではないか」と厳しい目を向ける声も。ネットユーザーにとって、AIポスターの細かな破綻や虚偽描写は単なる「画像のミス」にとどまらず、その店が料理の品質や顧客に対して誠実に向き合っているかを測る「リトマス試験紙」のように捉えられているのです。

さらに、「セブン-イレブンをはじめとする大手企業ですら商品告知にAI生成画像を使い始めている」と指摘する声も。実物があるにもかかわらず、一目で作り物と分かる不自然なAIビジュアルを押し出されることに対し、違和感や嫌悪感を覚える消費者は少なくありません。

今回の議論は、「飲食店におけるAI広告の是非」にとどまらず、より根本的な問いへと発展しています。AIによってコンテンツ制作があまりにも手軽になった結果、私たちは品質や細部に対するこだわり、そして「本物」への誠意を失いつつあるのではないでしょうか。

利便性ばかりが優先され、こうした安易な手法が当たり前になった先には、違和感に満ちたAI画像や動画で溢れかえる日常が待っているのかもしれません。