ソニー・インタラクティブエンタテインメント(Sony Interactive Entertainment LLC、以下SIE)が出願した、PlayStation関連の複数の特許が相次いで明らかになった。なかでも注目を集めているのが、NFCによる情報転送とAIを活用したシステム保守に焦点を当てた2つの技術だ。実際に製品へ導入されれば、クレジットカードやスマートフォンをコントローラーにかざして支払いができるようになるほか、ゲーム機の不具合をAIが自動検知し、修正プログラムまで作成する可能性がある。

そのひとつが、「ゲームコントローラーによる情報転送」と題された特許だ。NFC機能を備えたコントローラーが想定されており、スマートフォンやクレジットカードをコントローラーに近づけるだけで、情報をゲーム機へ送信できるという。決済に利用できるだけでなく、PlayStationのアカウント情報を新しいゲーム機へ素早く移行することも可能。スクリーンキーボードでの入力やQRコードの読み取りといった手間を省けるとしている。


ソニーは文書の中で、現状では複数のデバイスといくつもの手順を介してデータを転送する必要があり、操作が煩雑になるだけでなく、ゲーム機のパフォーマンス低下や処理の失敗を招く可能性もあると説明している。ただし、アカウント情報の移行に利用する場合は、スマートフォンを入手した第三者が勝手にログインできないよう、追加の認証システムを設ける必要がある。
もうひとつの特許は、さらに大胆な内容だ。ソニーはAIにPlayStationシステムを常時監視させ、ハードウェアやソフトウェアの異常を検知すると、大規模言語モデル(LLM)が修正プログラムを自動作成する仕組みを構想している。問題を事前に解決するほか、レポートにまとめてエンジニアへ引き継ぐことも想定されている。

一方、この技術にはプライバシーやセキュリティ面での懸念もある。AIがシステム全体を監視するには、大量のデータと幅広い権限が必要になる可能性が高い。特許文書でも、デバイスへ修復命令を自動送信する場合は厳重な安全対策が不可欠だと認めている。対策が不十分なら、もともとは小さかった不具合をさらに深刻化させ、ゲーム機を「文鎮化」させてしまう恐れもある。
現時点では、どちらも特許段階にとどまっており、PlayStation 6への搭載が決まったわけではない。それでも、ソニーの関連技術に関する文書が相次いで明らかになるなか、次世代PlayStationでは操作方法や自動メンテナンス、システム接続のあり方がどう変わるのか、ますます注目が集まりそうだ。