INART 1/12『ドラゴンへの道』ブルース・リー(タン・ロン)アクションフィギュア レビュー

【はじめに】

ブルース・リーが生前に残した4本半の映画のうち、自ら監督を務めたのは2本半。そのなかでも、1972年公開の『ドラゴンへの道』は、ブルース・リーが初めて本格的に監督を手がけた作品であり、ヨーロッパのイタリアでロケを行った初の香港映画でもあります。海外では「人生で観るべき映画史上最重要の100本」に選出され、同リストに名を連ねた初の中国語映画となりました。なかでも映画終盤、主人公を始末するためイタリアへ送り込まれた空手の達人コルトを演じるチャック・ノリス

(実生活でも世界プロ空手ミドル級選手権を6連覇し、最高位の黒帯十段を授与された武道家)とのコロッセオ決戦は、映画史に残る教科書級の格闘シーンとして高く評価されています。『ドラゴンへの道』は、幾重もの意味でブルース・リーを代表する重要作といえるでしょう。


【海を渡ったドラゴン、不屈の闘志――キャラクター紹介】


主人公のタン・ロンは、実直で曲がったことを見過ごせない性格。ある日、叔父からの頼みを受け、ローマにある中華レストランを手伝うため海を渡ります。しかし、その店は土地の売却を迫るギャングからたびたび嫌がらせを受け、経営も悪化の一途をたどっていました。

  

質素な暮らしに慣れていたタン・ロンは、ローマの文化や生活習慣になじめず、当初はレストランの店長や従業員たちと衝突してしまいます。そんななか、ギャングが再び店へ押しかけて騒動を起こします。正義感の強いタン・ロンは、中国人としての誇りと、仲間たちの生活を支える中華レストランを守るため、ついに立ち上がって悪党たちを撃退。その圧倒的な強さと勇気を目の当たりにした一同は彼を見直し、わだかまりを解いて次第に固い絆を築いていきます。一方、タン・ロンの妨害によって土地の買収計画が進まなくなったギャングは、彼の抹殺を決意。大金を投じて全米空手王者のコルト(演:チャック・ノリス)とその弟子、さらに複数の武術家を雇い、タン・ロンへと差し向けます。


幾度もの激闘を乗り越え、すべてが終わったかに思われました。しかし、その裏には思いもよらない真相が隠されていたのです……。



【製品レビュー】

アクションフィギュア界の新鋭INARTが、前作の1/12スケール ブルース・リー『死亡遊戯』版に続き、『ドラゴンへの道』の主人公タン・ロンを立体化。今回も同社ならではの高い完成度で、ブルース・リーのスクリーン上の姿を再現しています。白いタンクトップにショートパンツ、黒いカンフーシューズという劇中衣装に加え、ブルース・リー特有の体格を再現するために開発された、1/12スケールの超可動素体を採用。特に注目したいのは、白いタンクトップから露出する両腕や肩まわりです。衣装に隠される部分が少ないため、緻密に造形された筋肉や皮膚の質感を存分に堪能できます。裾にゆとりを持たせたショートパンツも、蹴り技を繰り出した際のダイナミックなシルエットを演出。可動性能については今回も文句なしで、劇中の構えやアクションを幅広く再現できます。さらに、各製品の素体は他社で見られるような単純な流用ではなく、キャラクターごとに個別開発されている点も見逃せません。同じブルース・リーを再現した素体でありながら、『死亡遊戯』版とは細部が異なり、それぞれの役柄に合わせた専用設計となっています。頭部は通常表情と怒りをあらわにした表情の2種類が付属。いずれもブルース・リーならではの印象的な表情を的確に捉えています。劇中で使用した長棍やヌンチャクもひと通りそろっており、ブルース・リーファンとして大いに満足できる内容です。


セット内容は以下のとおりです。

1. リアルに造形された表情違いの頭部パーツ2種

専用造形の交換用ハンドパーツ各種(拳を握った際に現れる指関節の凹凸やシワまで丁寧に再現されている点は必見です)


2. 劇中のレストラン裏庭で使用したヌンチャク×2、長棍×1


3. 多関節式ディスプレイアーム&台座一式


4. 付属品収納袋×1



【まとめ――名作を彩るもう一人のブルース・リー。1/12スケールの決定版】

INARTの1/12スケール製品らしい高いクオリティと、手に取りやすい価格設定については、もはや多くを語る必要もないでしょう。今回の『ドラゴンへの道』版を、前作『死亡遊戯』版の衣装と髪型だけを変更した流用アイテムだと思ったら大間違いです。素体にはそれぞれ異なる処理が施され、2種類の頭部も完全新規造形。なかでも怒りの表情を浮かべた頭部は、迫力と躍動感にあふれる見事な仕上がりです。前作の『死亡遊戯』版を購入しているなら、今回の『ドラゴンへの道』版も見逃す手はありません。


今回も伝えたいことは、ただひとつ。

逃してから後悔しても、もう遅いのです。


ブルース・リーの言葉を借りるなら――

「知るだけでは足りない。実践しなければならない。意志だけでは足りない。行動しなければならない」



それでは、次回のレビューでお会いしましょう。









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