「中世の街並み」を完成へ導く鍛冶屋――レゴ公式の村を補完
2024年、レゴから大型キャッスルセット「レゴ アイコン 中世の街並み(10332)」が登場しました。「レゴ アイコン ライオン騎士の城(10305)」の城下町にあたるセットで、2009年の名作「レゴ キャッスル 中世のマーケットヴィレッジ(10193)」へのオマージュも盛り込まれています。この村には「フェルサ」という名前まで付けられています。
農家、チーズ工房、宿屋、盾職人の作業場、見張り塔。5棟の建物が並ぶことで、活気あふれる広場と村の情景が完成します。しかし、フェルサの村には見慣れた作業場がひとつ足りません。それが鍛冶屋です。騎士の剣が刃こぼれしたら、どこで直すのか。すり減った蹄鉄は、どこで打ち直すのか。盾職人はいるのに、剣を注文する場所がないのは何とも不思議です。もちろん、レゴが鍛冶屋を忘れていたわけではありません。2021年には「レゴ アイデア 中世のかじ屋(21325)」が登場しています。ただし、庭付きの3階建てという堂々たるサイズだけに、そのまま村へ並べると少々アンバランスです。そこでレゴビルダーのAndy Yuan氏が制作したのが、「中世の街並み 鍛冶屋(MOC 263153)」。ライオン騎士の城や中世の街並みと並べても違和感のない、絶妙なスケールに仕上げられています。

図1. 「中世の街並み」と鍛冶屋を並べた全景
鍛冶屋は、中世らしいハーフティンバー様式の民家として制作されています。下層には荒々しいグレーの石積み、上層には白壁とダークブラウンの木骨を採用。とりわけ見事なのが屋根で、サンドカラーのスロープパーツを幾重にも組み合わせ、厚みのある茅葺き屋根を表現しています。表面には自然な起伏を設け、角の一部をあえて崩すことで、長い年月を経た味わい深い風合いを演出しています。母屋の隣には開放式の鍛冶場を併設。入口にはハンマーと斧を交差させた木製看板が掲げられ、ひと目で鍛冶屋だと分かるデザインです。

図2. オーダーメイドの武器を受け取りに、馬に乗った騎士が鍛冶屋へ
鍛冶場には、鍛造作業の一連の情景が凝縮されています。鍛冶屋のミニフィグはハンマーを振り上げ、剣の素材を打ち鍛えている真っ最中。炉にはトランスオレンジのパーツが仕込まれ、本物の炎を思わせる輝きを放っています。周囲にはふいごや金床、各種工具も配置されています。階段を上ると2階の鍛冶屋の寝室へ。バルコニーでは住人が草花の世話をしており、屋根を取り外せば、家具が置かれた寝室の内部も確認できます。さらに階段の下には1羽の雌鶏が巣の中で卵を温めています。
すでに「中世の街並み」を持っている方はもちろん、これから中世テーマのレゴに挑戦したい方にもおすすめしたい鍛冶屋です。ディスプレイスペースを追加してでも、フェルサの村へ迎え入れたくなる完成度です。組み立てる際は、卵を温めている雌鶏をなくさないよう、くれぐれもご注意ください。

図3. 屋根は取り外し可能。内部には家具が配置された小部屋が広がります。

図4. 木造の鍛冶場を覆う茅葺き屋根には、あえて朽ちた表現が施されています

図5. 開放式の鍛冶場には、鍛え上げられた各種兜が並びます
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