ホビージャパンは9月30日、『機動戦士Ζガンダム』の外伝作品『TYRANT SWORD Of NEOFALIA(タイラント・ソード)』を超高解像度スキャンで復刻した書籍を発売しました。しかし、その巻末には本作のメカニックデザイナー藤田一己氏に関する情報提供の呼びかけが掲載され、本人および藤田氏の近況を知る家族や知人に、ホビージャパン編集部への連絡を求めています。

1987年に全5回で連載された『TYRANT SWORD Of NEOFALIA(タイラント・ソード)』は、『機動戦士Ζガンダム』の舞台である宇宙世紀0087年を背景に、藤田一己氏がデザインした主人公機「タイラント・ソード」の活躍を描く模型オリジナルの外伝作品です。メッサーラ、ネモ、ジムIIなど、グリプス戦役を駆け抜けたモビルスーツも独自の解釈でリデザインされ、その前衛的なメカデザインは現在もファンの間で語り継がれています。今回の復刻版にも藤田氏が監修として参加していると思われていましたが、巻末には同氏に関する情報提供を求める告知が掲載されていました。



1985年、当時わずか21歳だった藤田一己氏は、『機動戦士Ζガンダム』のメインメカニックデザイナーのひとりに抜擢。メッサーラ、ガブスレイ、バイアラン、パラス・アテネなど、劇中を彩った数々の名機を手掛けたほか、ガンダムMk-II、百式、サイコガンダムMk-IIなどの決定稿も担当しました。



一方、藤田氏は『TYRANT SWORD Of NEOFALIA(タイラント・ソード)』の連載当時、「モビルスーツを描くのはつまらない。もう飽きた」といった奔放なコメントを残したことでも知られています。1992年のOVA『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』ではデザイン作業の初期段階で降板し、その後は長らくアニメ業界を離れていましたが、2000年に展開が始まったOVA『勇者王ガオガイガーFINAL』で、再びメカニックデザインに藤田氏の名がクレジットされました。

近年は業界の新作デザインに携わる機会が少なくなっていた藤田氏。今回連絡が取れないのも、単にまた「飽きた」だけであり、いつか無事な姿をファンの前に見せてくれることを願うばかりです。