亡き叔父が遺した大量のミリタリーモデル、寄贈もネット出品も難航 「コレクションは生前に整理しないと」の声

ゲームやグッズ、模型、書籍など、自分だけのコレクションを持っている人は少なくないでしょう。どれも大切な財産であり、思い出であると同時に、「好き」を形にしたものでもあります。

そんななか、あるXユーザーが、亡くなった叔父の遺した大量のミリタリープラモデルを投稿しました。叔父が若いころから作り続けてきたもので、その数は圧巻。保存状態もよく、ショーケースに整然と並べられています。しかし叔父の死後、遺された家族は「これをどうすればいいのか」という難題に直面。ネット上で大きな議論を呼んでいます。

投稿者の「mayo」さんによると、叔父が亡くなった後に自宅を訪ねたところ、叔母が大量のミリタリーモデルの扱いに頭を悩ませていたとのこと。叔父が若いころから趣味として続けていたため、長い年月をかけて膨大なコレクションになっていました。

家族は博物館への寄贈も検討したものの、実際に問い合わせてみると、そう簡単にはいかなかったそうです。ほかに方法はないかと、投稿者がXで知恵を募りました。

写真を見ると、その多くはすでに組み立てと塗装を終えた完成品で、ショーケースの中にきれいに飾られています。保存状態のよさに注目する人も多く、生前の叔父が一つ一つを大切に扱っていたことが伝わってきます。

投稿が話題になると、博物館への寄贈を勧める声が続出。自衛隊に引き取ってもらえないか尋ねてみては、という案も寄せられました。

しかし、模型コレクションや施設の事情に詳しいユーザーからは、現実はそれほど単純ではないとの指摘も。各地の博物館には遺品を寄贈したいという申し出が数多く寄せられますが、実際に資料的価値があり、収蔵方針にも合致する品は限られています。収蔵スペースにも限界があるため、何でも受け入れられるわけではありません。さらに、精密模型は運搬中に破損しやすく、正式に受け入れるとなれば相応の人手や設備も必要です。「持っていけば解決」というわけにはいかないのです。

自衛隊についても、駐屯地や基地によって事情はさまざまです。資料館を設けている場所もあれば、そうでない場所もあります。仮に受け入れ可能だったとしても、その後の保存や管理方法には違いがあるとみられます。

一方、Yahoo!オークションなどで販売する案も多く寄せられました。しかし模型ファンからは、こちらも現実的なハードルが多いとの声が上がっています。

市販のスケールモデルは、著名なモデラーが手掛けた作品や特別な価値を持つものでない限り、組み立て済み完成品の中古相場はそれほど高くないのが実情です。塗装のクオリティーが高い一部のガンプラには需要が見込めるものの、それをすべての完成品に当てはめることはできません。

しかも、今回遺された模型はとにかく数が膨大です。一点ずつ出品するとなれば、状態確認、写真撮影、商品説明の作成、購入希望者からの質問対応が必要になります。取引成立後には、それぞれを破損しないよう厳重に梱包しなければなりません。

特に飛行機のような大型かつ繊細な模型は、輸送中に破損するリスクが高く、安全に梱包するだけでも大仕事です。「少しずつ売ればいい」と提案する人は、この量の完成品を壊さず発送する苦労まで想像できていないのではないか、と率直に指摘する声もありました。実際にやるとなれば、想像以上の重労働になりそうです。

また、外野がさまざまな「理想の解決策」を提示する前に、遺族が費やす時間や労力を考えるべきだという意見も少なくありません。大量に遺されるのは模型だけではなく、整理、運搬、問い合わせ、取引、梱包、発送といった作業もセットです。高齢の家族が一人で対応するとなれば、その負担はあまりにも大きいでしょう。

そのため、遺族に保管を続ける意思がないのであれば、模型を写真に残したうえで、思い入れのある数点だけを手元に置き、残りは処分するのも妥当な選択だという声も。コレクションを守るために遺族が追い詰められるくらいなら、家族の意向に沿って整理して構わない。他人の期待に応えるため、無理に保存する必要はないという考えです。

今回の一件をきっかけに、多くのコレクターが自分が亡くなった後のことを考え始めました。自分が元気なうちは、コレクションは誇るべき趣味であり、かけがえのない宝物です。しかし家族にとっては、ある日突然、膨大な「遺品整理プロジェクト」に変わってしまう可能性があります。

コレクションの価値が分からない家族にすべてを任せるのではなく、元気なうちから少しずつ整理し、何を残し、何を売るのか、あるいは誰に譲るのかを決めておくほうがよさそうです。これこそ本当の意味での「コレクション」なのかもしれませんが、「やっぱり生きているうちに、どうにかしておかないと。」と、しみじみ語る人もいました。

投稿が大きく拡散されたことを受け、「mayo」さんはその後の状況も報告しています。あまりにも突然話題になり、寄せられたコメントをすべて読み切れないほどだったとしつつ、さまざまな提案に感謝を伝えました。

叔母は模型を売ってお金に換えたいわけではなく、精密模型に必要な梱包作業にも対応できないとのこと。そのため現在は、引き取ってくれる人がいるなら、ショーケースごと運び出してほしいと考えているそうです。投稿者にとって叔父は大好きな存在だったため、模型を単に現金化するよりも、本当に好きで大切にしてくれる人のもとへ渡ってほしいと願っています。

今回の出来事は、「コレクションの価値を決めるのは誰なのか」、そしてコレクターは生前にその行き先を決めておくべきなのか、という議論をあらためて呼び起こしました。

コレクターにとって、何十年も寄り添ってきた模型は大切な思い出です。一方、遺族にとっては、膨大なコレクションをどう整理するかが、一人では抱えきれないほど大きな課題になることもあります。