『NieR』シリーズや『ドラッグ オン ドラグーン』などで知られるゲームクリエイターのヨコオ タロウが、イベントで現在の仕事観について語りました。貯金を見るたびに「もう終わりでいいかなと思う。仕事をしたくない。」と感じるそうですが、それでも働き続けている理由は、認知症への不安にあるようです。

9月に開催されたイベント「The Tenth Mosaic」では、ヨコオ タロウと『ENDER LILIES』などを手掛けた岡部佳祐による対談が実現。今後やりたいことや、現在取り組んでいる仕事について尋ねられると、ヨコオ タロウは即座に「まったくないですね。」と答えました。
その理由は、自身が初めてゲームディレクターを務めた『ドラッグ オン ドラグーン』までさかのぼります。当時、100%とまではいかなかったものの、自分なりに全力でゲームを作り上げ、「自分がずっと作りたかったものを世に出す」というゲームオタクとしての夢をかなえたといいます。

それ以降の人生は、いわば“余生”。現在の自分についても「収入が途絶えると困るから仕事を続けているだけで、惰性で生きている生物」とまで表現しています。

ところが最近、貯金額を確認したことで、その考えにも変化が訪れたもよう。「このお金に年金を足せば、もう働かなくてもいいんじゃないか」という思いが、ますます強くなっているそうです。「だから気持ちとしては、もう終わっています。仕事も終わり。もう本当にやりたくない。」と本音を明かしました。
それでも仕事を辞めない理由は、リタイア後の生活に対する不安です。ヨコオ タロウは、老後に最も恐ろしいものとして「がんと認知症」を挙げています。仕事をしなくなると認知症のリスクが高まることがあると聞いたため、現在は「認知症が怖いから、嫌々ながら仕事を続けている」のだとか。

仕事で嫌なことがあっても、「これは認知症予防に効いている。」と自分に言い聞かせ、なんとか乗り切っているそうです。つまり、56歳となったヨコオ タロウにとって、仕事を続ける最大のモチベーションは「まだ作りたい作品があるから」ではなく、頭を動かし続けるための“認知症対策”になっているようです。
現在は『エヴァンゲリオン』完全新作シリーズのシリーズ構成・脚本も担当しています。果たしてどんな作品を見せてくれるのか、期待せずにはいられません。
via: automaton media