イーロン・マスクは2021年、米国のコメディー番組『サタデー・ナイト・ライブ』に出演し、任天堂の悪役キャラクター「ワリオ」に変身しました。しかし、このパロディーコントはネット上で微妙な評価を受けただけでなく、任天堂社内でも不評だったようです。

元任天堂広報のキット・エリス氏とクリスタ・ヤン氏は、先日公開したYouTube番組で当時を回想。コントでは、マリオを殺害した疑いをかけられたワリオが法廷で裁かれるという、なかなか攻めた展開が描かれました。エリス氏によると、このコントは社内で「好意的に受け止められていなかった」といい、一部の描写には「不快感」を覚えた関係者もいたそうです。
当時はワリオの新作ゲームや関連商品が発表されていたわけでもなく、突然ワリオがパロディーの題材に選ばれたことも不可解だったとのこと。まさに「なぜ今ワリオ?」状態だったようです。
さらに問題視されたのが、その内容です。マリオのコカイン使用をネタにしたほか、ルイージとピーチ姫の性的関係をほのめかし、モザイクで隠されたルイージの性器まで登場。任天堂が大切にしてきたファミリー向けのブランドイメージとは、あまりにもかけ離れた内容でした。
2人がこの一件をあらためて振り返ったきっかけは、『サタデー・ナイト・ライブ』が最近、『ゼルダの伝説』の主人公リンクと『グランド・セフト・オートVI』の主人公ジェイソンに、どちらのゲームが優れているかを競わせるコントを放送したことでした。内容は『ゼルダの伝説』をイジりつつ、『グランド・セフト・オートVI』のほうがクールだとアピールするもの。こちらも賛否が分かれましたが、エリス氏とヤン氏は、イーロン・マスク版のワリオよりは任天堂に受け入れられたはずだとみています。

『サタデー・ナイト・ライブ』は過去にも、『The Last of Us』主演のペドロ・パスカルを起用し、『マリオカート』をダークでリアルな終末世界の冒険譚に仕立てたパロディーを披露しています。こうした悪ノリはコメディー番組の十八番とはいえ、キャラクターのイメージを重視する任天堂にとって、その「攻め具合」はやはりデリケートな問題のようです。