(画像提供:Netflix)
『バービー』(Barbie)のグレタ・ガーウィグ(Greta Gerwig)が脚本・監督を務める、新たな『ナルニア国物語』(The Chronicles of Narnia)の第1作『ナルニア:魔術師のおい』(Narnia:The Magician's Nephew)。10月14日に初の予告編が公開されたばかりだが、翌15日には早くも舞台裏をめぐる新たな騒動が報じられた。
著名な映画ジャーナリスト、ジェフ・スナイダー(Jeff Sneider)が自身のニュースレター「The InSneider」で伝えたところによると、Netflix内部では『ナルニア:魔術師のおい』の完成版に不満が噴出し、「酷い出来だ」とまで受け止められているという。2026年夏の時点で試写を見たという情報筋は、本作の問題点を、同じく女性監督が手がけたファンタジー小説の大作映画『リンクル・イン・タイム』(A Wrinkle in Time)になぞらえた。2018年公開の同作は評価が振るわず、興行面でもウォルト・ディズニー・スタジオに1億ドル近い損失をもたらしたとされている。
別の試写参加者は、「映画が終わって照明がついた瞬間、試写室の空気が凍りついたようだった。あまりにもお通夜のような雰囲気だった」と証言。Netflixが追加撮影を決めたのも、これが理由だという。スナイダーの情報筋からは、主人公たちが第3幕までナルニアに入らないことが、物語上の大きな問題になっているとの指摘も出ている。ただし、これは原作にもともと存在する構成だ。物語はナルニア誕生の過程を描くため、冒頭の時点ではまだナルニアそのものが創造されていない。

(画像提供:Netflix)
スナイダーはさらに、『バービー』の制作時にも、完成版を不安視したスタジオ側が、クレジットされていない別の編集者や監督をひそかに参加させ、作品の修正を進めたとの噂があったと指摘している。最終的に『バービー』で編集者としてクレジットされたのは、ガーウィグと4作品連続で組んできたニック・ホウイ(Nick Houy)のみだった。しかし今回の『ナルニア:魔術師のおい』では、ホウイに加えてワイアット・スミス(Wyatt Smith)とアンドリュー・ワイスブラム(Andrew Weisblum)も名を連ねている。スナイダーは、これが『バービー』をめぐる噂を裏付けるだけでなく、ガーウィグが今回、より多くの助力を必要としていることを意味するとみている。
(画像提供:Netflix)
スナイダーによれば、Netflixが『ナルニア:魔術師のおい』の公開時期を当初予定していた2026年11月から2027年2月へ延期した背景にも、作品のクオリティーに対する懸念があるという。秋に公開すれば、メディアが本作を賞レース候補として盛り上げる可能性がある。しかしNetflix側は、賞レースを狙える水準には達していないと判断。あえてその時期を外すことで、賞レースに参加する意思がないことを示したというのだ。
またスナイダーは、『ナルニア:魔術師のおい』が成功しても、ガーウィグが続編の監督に戻らない可能性があると推測している。ガーウィグが本作の監督を引き受けたのは『バービー』公開前だったが、同作の大ヒット後には一度降板を望んだものの、Netflixが手放さなかったという。
(画像提供:Netflix)
キャストには、キアラン・ハインズ(Ciarán Hinds)、キャリー・マリガン(Carey Mulligan)、デニース・ゴフ(Denise Gough)、エマ・マッキー(白い魔女役)、ダニエル・クレイグ(魔術師アンドルーおじさん役)、メリル・ストリープ(ライオンの王アスランの声)らが名を連ねる。日本では2027年2月11日に全国公開され、同年4月2日からNetflixで配信される。
原作シリーズでは前日譚にあたる『魔術師のおい』は、出版順では第6作だが、物語の時系列では最も古い時代を描く作品。アスランがナルニアを創造した経緯と、最初の王と王妃が誕生するまでが明かされる。
via: The InSneider