『GTA 6』当初は南北アメリカを横断する超巨大マップだった 縮小・延期・長時間労働改革の舞台裏

Rockstar Gamesがこのほどブルームバーグのインタビューに応じ、『グランド・セフト・オートVI』が当初、「Project Americas」という開発コードネームで進められていたことを明かした。当初の構想は、南北アメリカにまたがる広大なオープンワールドを作り上げるというものだったが、後にマイアミを中心とする地域へと縮小されたという。

Rockstar Northの共同スタジオ責任者Rob Nelsonは、早くも2015年にチームを率いてマイアミで現地調査を実施していた。しかし、『レッド・デッド・リデンプション2』の開発規模が拡大したことで、計画は数年にわたって先送りされた。2019年にはジェイソンとルシアをダブル主人公とする構成が固まっていたものの、細部の設計はコロナ禍の影響を受け、開発チームは在宅勤務への移行という新たな課題に直面した。

『レッド・デッド・リデンプション2』では、過酷な長時間労働をめぐって批判が噴出した。Rockstar Gamesのパブリッシング責任者Jennifer Kolbeは、これを機に同社が労働文化を見直したと語っている。「私たちは顔を見合わせて、『もう二度と同じやり方はしない』と言いました。すべてが完璧になったわけではありませんが、『レッド・デッド・リデンプション2』の時より確実に良くなっています」

「私が『過酷な長時間労働はなかった』と言うたびに、『自分は経験した』と訴える人が出てきます。個々のチームや社員と争うつもりはありません。ただ、今回はやり方が違ったと思っていますし、そのことを誇りに感じています」

取材を受けた数十人の社員も、その多くが労働環境の改善を認めている。一方でRockstar Gamesは、社員34人を解雇した問題をめぐり、スコットランドで労使紛争に直面している。2022年には、ハッカーがフィッシング攻撃によって同社の社内コミュニケーションツールSlackへ侵入し、開発途中のゲーム映像が流出。開発責任者Aaron Garbutは、誰かに汚れた洗濯物をあさられ、頭の中にまで踏み込まれたような、耐え難い経験だったと振り返っている。

発売日もたびたび変更され、当初予定されていた2025年から2026年5月へ延期され、最終的に同年11月19日へと変更された。Kolbeによると、再延期を伝えるためTake-Two InteractiveのCEO、Strauss Zelnickへ電話した際、相手は驚いて「冗談だろ? 冗談だと言ってくれ」と口にしたという。それでも理由を聞いた後は、延期の決定を受け入れた。

Rockstar Gamesは、今回構築したゲームエンジンや開発ツール、チーム体制が、今後の作品の開発スピード向上につながるとしている。『GTA 6』は日本でも2026年11月19日にPS5とXbox Series X|S向けに発売予定。PC版の発売時期は、現時点で発表されていない。

via: Bloomberg