Rockstar Gamesが公開した『グランド・セフト・オートVI』(Grand Theft Auto VI)の第3弾ゲームトレーラーでは、ジェイソンとルシアが歩む犯罪者としての旅がさらに鮮明になっただけでなく、わずかなカットの中にもキャラクターやミッション、オープンワールドに関する大量の手がかりが盛り込まれている。ジェイソンの軍歴、複数人による強盗、さらには過去のトレーラーとつながる可能性のある場面まで、その注目ポイントをまとめていく。
▌シャワーにキス…親密な交流を描写、ルシアの足には今も電子監視装置
今回のトレーラーで特に際立っている物語上のポイントは、ジェイソンとルシアが共に犯罪に手を染めるだけでなく、逃亡生活による重圧にも耐えなければならないことだ。ルシアが「私たち、大丈夫だよね?」と問いかけると、ジェイソンは「ここまで何があっても、俺たちは離れなかった。今はこれを乗り切ればいい」と答える。この会話からは、2人の恋愛関係が単なるミッション外の設定ではなく、犯罪を巡るメインストーリーと密接に結びついていることがうかがえる。


映像には2人でシャワーを浴びてキスを交わし、つま先立ちになったルシアがジェイソンの髪を洗う場面も登場する。暴力や風刺を前面に押し出してきたシリーズ過去作のプロモーションと比べても、こうした日常的なシーンは恋人同士の親密さをよりストレートに映し出している。
注目したいのは、ルシアの足首に今も電子監視装置が装着されていること。ジェイソンと再会した後も、司法当局による制限から完全には解放されていない可能性がある。

2人が海を望む高級アパートのバルコニーに立つ場面も、これまでに公開された質素な住まいとは明らかに異なる。物語が進むにつれ、生活環境が変化することを示しているのかもしれない。

また、終盤でルシアが身に着けている金色のドレスは、第2弾トレーラーにも登場していた。衣装とロケーションの一致から考えると、ヨット、ナイトクラブ「Nine1Nine」、そして2人が屋上からプールへ飛び込む場面は、同じ大型ミッションの一部である可能性がある。ただし、実際の時系列はまだ確認できない。
▌大規模強盗、空中作戦、犯罪チームの存在
今回のトレーラーでは、かなり大掛かりな犯罪計画がいくつも描かれている。中でも目を引くのが、銀行の金庫内で札束が燃え上がる場面だ。このロケーションは8月公開のゲーム画像にも登場しており、ルシアも同じポニーテール姿だったが、そばにいるのはジェイソンではなく、正体不明の別人物だった。さらに別のカットでは、建設作業員に変装した武装集団とルシアが行動を共にしている。一部の強盗では、追加メンバーの協力が必要になるようだ。彼らがストーリー上の固定キャラクターなのか、それとも『グランド・セフト・オートV』のようにプレイヤーが雇える人物なのかは、現時点では分からない。

さらに強烈なのが空中でのアクションだ。黒いタクティカルウェアを着たルシアが巨大な貨物ネットの横につかまり、リボルバー式グレネードランチャーで追跡中のパトカーを攻撃している。ほかにも、ヘリコプターが巨大な貨物を運び、そのネットが高層ビルの外壁を突き破ったかのように大量のガラス片が飛び散る場面があり、演出のスケールを見せつけている。


さらにトレーラーでは、ルシアが車両から民間旅客機へ飛び移る瞬間も確認できる。第2弾トレーラーで描かれた機内での戦闘や、着陸装置が展開する場面につながる可能性もありそうだ。一方、ジェイソンはスナイパーライフルを構え、そのスコープにはヘリコプターが反射している。墜落したヘリを背に歩き去る姿も映し出された。
もちろん、この2つの場面が同じ事件を描いているとは限らず、あくまで映像編集から読み取れる手がかりにすぎない。それでも少なくともストーリー演出において、本作が『グランド・セフト・オートV』の大規模アクションミッションを受け継いでいることは間違いなさそうだ。
▌ジェイソンの軍歴が物語の重要な鍵に?
派手なアクション以上に、ジェイソンの過去は彼が犯罪に走った動機を理解するうえで重要な手がかりになりそうだ。トレーラーで彼は「軍でちょっと問題を起こして、名誉ある辞め方もできなかった。俺みたいな人間にはローンすら組ませてくれない。何ひとつ与えちゃくれない」と打ち明けている。このセリフからは除隊後の経済的苦境が明らかになり、犯罪を選んだ背景にも新たな一面が加わった。
彼が着ている米陸軍のTシャツには「North Fort Law」と「Marauder」の文字がある。前者は初代『グランド・セフト・オート』に登場した軍事基地を連想させ、後者はジェイソンの腕に彫られた骸骨とパラシュートのタトゥーとも呼応している。


「Marauders」は彼が所属していた部隊名で、歴史上のメリルズ・マローダーズや現代の米陸軍レンジャーと関係している可能性がある。ただし、ジェイソンが本当にレンジャー隊員だったのか、公式にはまだ明らかにされていない。リバティーシティとオルダニー州の地理的な関係を踏まえると、軍務中にリバティーシティ出身のルシアと知り合った可能性も否定できない。
トレーラーでは、ジェイソンが暗視ゴーグルとサプレッサー付きアサルトライフルを装備し、2人の男と共に水中を進んでいる。さらに、防弾ベスト姿でヘリコプターに乗り込み、降りた直後に銃器を点検する動作もあり、訓練を受けた経歴を裏付ける描写となっている。ただし、水中を進む場面が除隊前なのか現在なのかは判断できない。近接戦闘ではジェイソンがメリケンサックを装着する姿もあり、シリーズおなじみの武器が復活する可能性もありそうだ。
▌ギャング、警察、仲間が絡み合う犯罪ネットワーク
ジェイソンとルシアの行動には、当然ながら2人以外の人物も深く関わってくる。銀行強盗を得意とするラウル・バウティスタは建設現場に姿を現し、「クラッキンベル」のものと思われるフライドチキンを食べながら、男を足で押さえつけて脅している。背景の看板には「Schlott Construction」の文字がある。同社は『GTAオンライン』の車両ペイントにも登場しており、本作では実際のロケーションとして登場する可能性がある。

バイスシティ警察も重要な役割を担うようだ。短時間ながら姿を見せたメンデス警官は、その風貌と映像での扱われ方から、主要な敵役の一人になる可能性がある。『グランド・セフト・オート:サンアンドレアス』の汚職警官テンペニーを思わせる存在だ。

また、「Mariana County」と記されたパトカーがレオナイダキーズでオフロードの追跡劇を繰り広げている。街中には「EW」のタトゥーを入れたギャングらしき人物や、目出し帽をかぶり、金色のAKライフルを囲んで踊る集団も登場する。ただし後者については、ミュージックビデオやプロモーション撮影の一場面という可能性もあり、新たなギャングだと断定することはできない。


エンターテインメント業界も、この人物相関図に組み込まれている。ラップデュオ「Real Dimez」のベイ・ラックスとロキシーが再登場し、ナイトクラブ界の大物ブービー・アイクが率いる「Only Raw Records」に所属していることが分かる。

彼女たちが主人公とどう交わるのかはまだ不明だ。一方、ジェイソンの友人キャルはペットのヘビにキスするという滑稽な姿で登場。これまでのトレーラーに続き、このキャラクターのコミカルな一面が強調されている。
▌乗り物、動物、さらに緻密になったレオナイダ州
メインストーリー以外にも、トレーラーではレオナイダ州の日常的な風景が引き続き紹介されている。再び登場したストリートレースでは、警察が複数の方向から蛍光グリーンのスポーツカーを包囲。青緑とピンクのカラーリングを施した「Invetero Coquette」も一瞬だけ映っている。


水上交通に目を向けると、ジェイソンとキャルが新型ボートと思われる「Shasa」の外観を整えている。周囲にはレンタルボートや水上バイクが並び、除隊後にジェイソンがブライアンのボートヤードで働いていた生活が描かれている。


道路沿いには、シリーズの古参ファンにはおなじみの「Globe Oil」のタンクローリーも登場。『グランド・セフト・オートIV』や『グランド・セフト・オート:チャイナタウン・ウォーズ』にも登場した架空企業だ。野生動物としては、道路を横断するイグアナや、水中を進む場面にコモドオオトカゲのような外見の爬虫類が映っている。

ジェイソンがヘリコプターに乗っている場面では、そばに犬の姿も確認できる。ただし、犬を飼育したり、作業犬として指示を出したりできるのかは明らかになっていない。一方、ジムにいる男性の汗の表現は、以前明かされたキャラクターの発汗表現技術を改めて印象づけるものとなっている。
▌暗号資産への風刺と新たなテーマ曲
Rockstar Gamesらしい現代社会への皮肉も、背景の細部に仕込まれている。バイスシティのビーチ上空を飛ぶ複葉機には「DacityCoin」のロゴが描かれ、翼につかまった人物がピンク色の煙を放っている。これはビットコインを風刺した架空の暗号資産で、派手な宣伝パフォーマンスを利用した詐欺事件に関係している可能性もある。ただし、現段階では特定のミッションと結びつけられるだけの証拠はない。

トレーラーで流れる「Flower in a Hurricane」は、フランスのエレクトロデュオJusticeが本作のためにレコーディングした新曲。Tame Impala、King Gizzard & The Lizard Wizard、SZAも参加しており、Justiceは本作のオリジナルスコアも担当している。曲名にはハリケーンが含まれているが、現在までに公開された映像ではハリケーンそのものは描かれていない。異常気象がゲーム世界にどのような影響を与えるのか、正式発表が待たれるところだ。
今回のトレーラーで最大の注目点は、爆発や乗り物のスケールだけではない。Rockstar Gamesは、キャラクターの過去、犯罪組織、人間関係、そして都市の日常を一つにつなげようとしている。複数の映像を照合できるだけの手がかりはすでに提示されているが、ミッション構成やインタラクションシステム、物語の展開については、公式情報と映像からの推測を明確に分けて考える必要がある。