
昨年のハリウッド俳優ストライキにおける最大の争点の一つが、「人工知能(AI)」の不適切な使用への懸念だった。現在のハリウッドでは、映画スタジオが俳優にボディスキャンを要求し、顔などの身体情報を保存する権利を持っている。そして、許可なく俳優の肖像を流用することが可能だ。多くのスターがこの技術に疑問や懸念を表明してきたが、このほどニコラス・ケイジも、今後の2作品のためにAIスキャンを受け、「死後、自分の顔が悪用されないことを祈っている」と明かした。
ソニーズ・スパイダーマン・ユニバースの新作実写ドラマシリーズ『スパイダーマン・ノワール』への出演を控えるケイジは、『The New Yorker』のインタビューで、これまでテレビドラマに大きな魅力を感じてこなかったと認めつつ、「何かを表現するためにより多くの時間を費やせるという点に、興味を惹かれています」と語った。
ケイジは、近日公開のホラー・スリラー映画『ロングレッグス』で連続殺人鬼を演じる。彼は、『ロングレッグス』公開後には連続殺人鬼役のオファーが殺到するだろうと予想しつつも、暴力は自分の好みではないと告白した。「私は暴力を好みません。他人を専門的に傷つけるような役を演じるのは好きではないのです。ですが、次作(スパイダーマン)はもっとSF寄りのテーマで、人間同士の暴力というよりは、モンスターの要素が含まれています」

彼はドラマ『ブレイキング・バッド』のワンシーンを例に挙げた。「ブライアン・クランストンは、エピソードの半分もの間、スーツケースをじっと見つめていました。彼は床に座ってスーツケースを見つめ、『中には何が?開けるべきか?』と考えていた。映画だったら、そんなに長く考える時間はないでしょう。だから、私にとってこれはキャラクターをより深く表現できる機会のように思えるのです。次のプロジェクトにそうした余地があるかは分かりませんが、どちらかというとポップコーン・エンターテイメント的なシリーズになると思います」
ケイジはまた、『スパイダーマン・ノワール』が全8話のシリーズになることを認め、アーティストのロイ・リキテンスタインの絵画のようなアートの融合であり、いくつかの輝かしい要素があると表現した。
インタビューの中で、ケイジは取材を早めに切り上げて2回のボディスキャンを受けなければならないと明かした。1回は『スパイダーマン・ノワール』のため、もう1回は別の映画プロジェクトのためだという。彼は、こうしたAI技術に懸念を抱いていると正直に語った。「彼らは私をコンピューターに取り込み、私の虹彩やその他の特徴をコピーして、デジタルAIでやりたい放題するでしょう」
彼はAI技術に恐怖を感じており、この問題について声を上げ続けていると述べた。
via: Newyorker