『ジョーカー2』監督はDCスタジオと関わりたくない?ジェームズ・ガンのプレミア欠席が不仲説を裏付ける

DCコミックスのR指定映画『ジョーカー』の続編『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が5年ぶりにスクリーンに帰ってきたが、評価は賛否両論という意外なスタートを切った。海外興行収入は現在8110万ドルにとどまっているが、本作のメガホンを取ったトッド・フィリップス監督にとって、これは望んでいた結果であるだけでなく、これを機にDCスタジオと一線を画そうとしているのではないかと海外メディアは報じている。


トッド・フィリップスとDCの距離

海外メディア『Variety』によると、トッド・フィリップスの状況をよく知る内部関係者は、彼が本作の撮影当時、DCとは一切関わりたくないと考えており、撮影期間中は公式の監督を可能な限り避けていたと明かしている。DCスタジオのCEOであるジェームズ・ガンがSNSで『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』への支持を公言していたにもかかわらず、フィリップスはDCと距離を置く姿勢を崩さなかったという。

そのため、映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の上映時にはDCスタジオのロゴが表示されず、海外メディアはこれをトッド・フィリップスのDCに対する拒絶や不満の表れだと見ている。

『ジョーカー』の成功から5年後の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の不振について、『Variety』が内部関係者から得た見解によると、彼は次のように考えているという。「もし1作目が、荒廃した街で追い詰められ精神に異常をきたしていく男の物語というだけだったら、世界興行収入は10億ドルではなく、おそらく1億5000万ドル程度だっただろう」。そして、当時の成功の最大の理由は、やはりこのキャラクターがDCコミックスの「ジョーカー」だったからだと付け加えた。



トッド・フィリップスとDCスタジオの不和?

トッド・フィリップスの「一線を画す」行動が原因なのか、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』のプレミア後のイベントでは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのCEOデヴィッド・ザスラフは出席し、主演のホアキン・フェニックスやレディー・ガガと良好な交流を見せていたものの、会場にDCスタジオのトップであるジェームズ・ガンとピーター・サフランの姿はなかった。『Variety』は、これもまた両者の間に何らかの意見の相違や距離があることを示唆しているのではないかと見ている。

ジェームズ・ガンのイベント欠席について、DCの広報担当者は後に、アトランタがハリケーン「ヘレン」の影響を受けたため、追加撮影に向かう必要があったと説明。一方、ピーター・サフランは病気のため欠席したと回答している。

実際、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の本格的な撮影が始まった時点で、ジェームズ・ガンとピーター・サフランはDCスタジオのトップに就任して2ヶ月が経っていた。当時、この巨額の製作費が投じられたR指定ミュージカル映画に対し、両トップが何らかの助言をするのではないかと見る向きも少なくなかったが、『Variety』によれば、フィリップスはワーナー・ブラザースの幹部であるマイケル・デ・ルカとパメラ・アブディとのみ対話することを望んでいたという。



トッド・フィリップスはワーナーの意見も無視?

しかし、それでもワーナー・ブラザースからの提案が無視されることもあったという。報道によると、デヴィッド・ザスラフは2022年4月にフィリップスと1対1で面談し、低予算で製作することに同意するなら、ロサンゼルスでの撮影続行を認めると伝えた。当時ワーナー側は、約20%のコスト削減が見込めるロンドンでの撮影を望んでいたが、結果的にロサンゼルスで撮影を続けたフィリップスは、予算を削減することもなかった。

さらに内部関係者によると、ワーナーは当初、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が5年前の前作同様にヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映されることを望んでいなかった。しかし、トッド・フィリップスはその助言を聞き入れず、プレミア上映を強行し、同時に試写会の開催も拒否したという。もっとも、後にワーナー・ブラザースの広報は、同社が「ヴェネツィアでのプレミア上映の決定を全面的に支持する」とコメントしている。



『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』に欠けていたのは誰か?

『Variety』はまた、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が苦戦している一因として、5年前の前作でプロデューサーを務めたブラッドリー・クーパーが参加していないことを挙げている。2019年の『ジョーカー』に加え、レディー・ガガとタッグを組んだ『アリー/ スター誕生』でも監督・脚本を務めたクーパーの存在は、商業的な観点から少なからず助けになったはずだ。

しかし、ブラッドリー・クーパーは2021年の時点で既にトッド・フィリップスと袂を分かっており、それが『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の製作に参加しなかった理由だとされている。本作の製作に関わった匿名の人物は、「誰もトッドとコミュニケーションが取れない。こういうものは、ファンの意見に耳を傾けなければ、失敗する運命にある」と語っている。


via: Variety