数多くの漫画が連載されている昨今、残念ながら「打ち切り」となってしまう作品も少なくありません。中には、あまり話題になることなくひっそりと連載を終えるケースもあります。
しかし1月28日、そんな中でも極めて異例の事態が発生しました。株式会社リブレが発行するBLレーベル「ビーボーイ」編集部が、連載中の漫画『会長、神南さんが変です』(原作:鶴亀まよ先生、作画:ショオ先生)について、編集部が原作者の信頼を損ねたことを理由に配信を停止すると発表したのです。一体編集部に何があったのか、ネット上ではファンから驚きと疑問の声が上がっています。

漫画『会長、神南さんが変です』は、単行本化はされていなかったものの、ウェブで約1年半にわたり40話が連載されてきた作品でした。
「ビーボーイ」編集部の発表によると、配信停止の経緯は以下の通りです。
「タテ読みまんが『会長、神南さんが変です』につきまして、誠に残念ながら、本作の配信を停止させていただくこととなりました。連載を楽しみにしてくださっていた読者の皆様に、深くお詫び申し上げます。」
「配信停止の主な原因は、編集部が原作者様の信頼を損ねてしまったことにあります。編集部として行うべき進行管理を全うできなかったこと、原作ネームをご担当いただいた作家様と当初お約束していた条件を守れなかったこと。さらに、電子書店での配信において、一般作品として制作していたにもかかわらず、編集部の過失により成人向けとして配信してしまったことなどがございました。」
さらに、「これらの問題への対応においても、さらに原作者様の信頼を損ねる事態を招いてしまいました。加えて、作画をご担当いただいた作家様のご事情と編集部の対応の至らなさから、これまでの配信ペースを維持することが困難となりました。以上の経緯から、関係各所と協議を重ねた結果、本作の配信を停止するという結論に至りました。順次、配信停止の手続きを進めてまいります。」と説明。
最後に、「作家様、読者の皆様、そして関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。タテ読みまんが編集部で続きました不手際を重ねて深くお詫び申し上げるとともに、業務フロー及び体制を抜本的に見直し、信頼回復に努めてまいる所存です。」と謝罪しました。


実は、本作は1月初旬に「諸般の事情」により休載が告知されていました。ファンが連載再開を待ち望む中、月末に発表されたのが今回の「配信停止」という結末だっただけに、落胆の声が広がっています。

原作者の鶴亀まよ先生も、「最終的にこのような形になってしまい残念ですが、準備期間を含め約3年、大切に作ってきた作品でした」とコメント。連載中に応援してくれたファンへの感謝を述べるとともに、本作の連載が再開されることはないと明言しました。

この事態に、ファンからは編集部に対する厳しい声が上がっています。というのも、「ビーボーイ」編集部は昨年12月にも、漫画『いらない王子の婿入り』の電子版を原作者の許諾なく制作・配信したとして、権利侵害を認め作品を配信停止し、謝罪したばかりだったのです。
短期間に不祥事が続いたことで、「またやらかしたのか」「何度同じ過ちを繰り返すんだ」といったファンの怒りは頂点に。「今連載している他の先生方は大丈夫なのか」と、レーベルで執筆する他作家を心配する声や、「作家さんへのリスペクトが欠けている」といった厳しい批判が相次いでいます。

編集部の不手際が原因で作品が事実上の「打ち切り」となるのは、極めて異例のケースです。このような形で作品が終わりを迎えることは、作家はもちろん、作品を愛するファンからの信頼を大きく損なうものと言えるでしょう。