(画像:Netflix、ワーナー・ブラザース映画、A24)
本年度アカデミー賞作品賞を含む10部門にノミネートされた『ブルータリスト』に、先日突如AI使用疑惑が浮上した。同作の編集技師がインタビューで、ポストプロダクション時にAI技術を用いて、俳優のハンガリー語のセリフで不明瞭だった発音を調整したことを明かしたのだ。この件が報じられると、一部からは作品の演技の純粋性に疑問の声が上がり、AIが介入した演技がノミネート資格を満たすのかどうか、議論が巻き起こっている。
しかし、AI技術が広く普及している現在、『ブルータリスト』に限らず、昨年公開された多くの映画で多かれ少なかれAIが使用されている。本年度アカデミー賞に複数部門ノミネートされている『ア・コンプリート・アンノウン』、『デューン 砂の惑星PART2』、『エミリア・ペレス』なども同様だ。

(画像:ABC)
外部からの議論の主な焦点は、AIが俳優の演技修正に用いられる点にある。たとえ修正範囲がごくわずかであっても、その演技が俳優自身の力だけで完成したものではないと感じさせ、賞を競う上での公平性に問題が生じる。こうした増加する事例に対応するため、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは現在、規定の変更を検討しており、エントリーする制作チームに対し、AI技術の使用証明の提出を義務付ける方針だ。新しい規定は4月に発表され、来年度のアカデミー賞から適用される見込みだ。
映画芸術科学アカデミーは現在、ノミネートされた制作チームがAI使用に関する情報を自主的に公開するかどうかを選択できるようにしているが、AIの使用状況を具体的に調査し、効果的な規制方法を見出した後には、エントリーする全ての制作チームに対し、関連情報の公開を正式に義務付ける予定だ。
via: Variety