にじさんじ・小清水透さんへの誹謗中傷、100万円で和解成立 加害者の「誠意ある謝罪動画」提出で減額措置も

近年、VTuberの人気はとどまるところを知らず、国内外で一大ムーブメントを巻き起こしています。しかし、その人気に比例するように、心ない誹謗中傷やデマによって傷つけられるVTuberも後を絶ちません。これは大手事務所に所属するライバーから個人で活動する方まで、誰もが直面しうる深刻な問題となっています。

そんな中、VTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLOR株式会社は、所属ライバーである「小清水透」さんに対するインターネット上での権利侵害行為について、加害者との間で和解が成立したことを発表しました。加害者は損害賠償として約100万円を支払うことで合意しましたが、誠意ある謝罪動画を制作したことなどから、賠償額は減額されたとのことです。

ANYCOLOR社の発表によると、今回の事案は匿名掲示板において、小清水透さんへの権利侵害行為が行われたというもの。裁判所による発信者情報開示命令を経て加害者を特定し、損害賠償請求を行った結果、最終的に加害者が約100万円の賠償金を支払うことなどを条件に和解が成立しました。

ANYCOLOR社は、加害者が個別の謝罪動画を制作したことに加え、その後の手続きにも真摯に協力したことから、賠償額を減額する形での和解に至ったと説明しています。

ANYCOLOR社は、所属ライバーと密に連携し、誹謗中傷、侮辱、信用毀損、業務妨害、プライバシー侵害、脅迫、著作権侵害といった権利侵害行為に対して、発信者情報開示請求を含む法的措置を継続的に講じています。

同社はあわせて、2023年11月1日から2024年10月31日までの1年間で対応した案件が124件にのぼり、前年度の80件から大幅に増加したことも公表しました。対応した事案には、名誉毀損やプライバシー侵害、悪質なデマ、ストーカー行為のほか、殺害予告やYouTubeのライブ配信におけるチャットでの「荒らし行為」といった悪質なケースも含まれています。

特に注目すべきは、ANYCOLOR社が法的手続きを通じて、YouTube上で荒らし行為を行った人物の身元情報を開示させ、損害賠償請求に至ったケースです。これは、これまで法的措置が難しいとされてきた配信中の「荒らし行為」に対しても、司法のメスが入り始めたことを示す重要な一歩と言えるでしょう。

ANYCOLOR社は、近年の裁判において、インターネット上の誹謗中傷に対する判決が被害者寄りの傾向にあることも指摘しており、今後も権利侵害行為に対しては毅然とした態度で臨むとしています。

日本国内では、VTuberやその演者、いわゆる「中の人」を保護する法的な動きが活発化しています。判例の積み重ねにより、VTuberのアバターに向けられた攻撃的な投稿も、演者本人への権利侵害と見なされるケースが増えてきました。また、原告が匿名で民事訴訟を起こせる制度も整いつつあります。こうした法整備は、悪質な攻撃の抑止力となり、事務所に所属しない個人VTuberにとっても、より安全に活動できる環境づくりに繋がることが期待されます。