『鋼の錬金術師』の戦争描写、リアルすぎ… 作者・荒川弘先生の取材源に驚きの声。第二次大戦に従軍した親族の話が元だった

荒川弘先生による漫画『鋼の錬金術師』。連載終了から20年以上が経った今でも、その緻密な世界設定と魅力的なキャラクターたちが織りなす物語は、多くのファンに愛され続けています。

最近、日本のX(旧Twitter)で、本作の第10話に登場するロイ・マスタング大佐のセリフ「近くに新しい焼死体がある」という一言が話題に。「作者は一体どんな経験をしたら、こんな生々しい描写が描けるんだ…?」と、そのあまりのリアルさに驚きの声が上がり、荒川先生の取材の深さについて考察が交わされました。

この話題をポストしたユーザーは、「久しぶりに『鋼の錬金術師』を読み返したら、やっぱりすごかった」と前置きし、「『近くに新しい焼死体がある』みたいな、ディテールが細かすぎる描写は、一体どこから着想を得ているんだろう?」と投稿。荒川先生がどのような経験を経て、これほど臨場感あふれるシーンを描き出したのか、想像を絶すると感嘆しています。

この投稿には、『鋼の錬金術師』に詳しいファンから多くの情報が寄せられました。その多くが、単行本で戦争経験者への取材について触れられていたことを記憶しており、「確か、荒川先生は資料を調べるだけでなく、第二次世界大戦に従軍されたご老人にも直接インタビューしていましたよね。軍人キャラクターをあれだけ深く描くのだから、相当なリサーチをされたはず」といった声が上がりました。

また、別の視点からの指摘もありました。荒川先生のご実家が畜産業を営んでいることから、「動物の死骸を焼却した際の匂いなどを、もしかしたら経験されていたのかもしれない」という推測も寄せられています。

多くの情報を得た投稿主がさらに調べたところ、単行本15巻の巻頭コメントで、作者本人が従軍経験者の方に話を聞いたと明記していることを発見。さらに別のインタビューでは、自身の親戚が「インパール作戦」に従軍していたことにも言及しており、それによって歴史がより身近なものに感じられるようになったと語っていたそうです。

もっとも、荒川先生自身は「『鋼の錬金術師』の取材は、まあこの程度です(笑)」と謙遜されていますが…。

(インパール作戦とは、第二次世界大戦中の1944年3月から7月にかけて、旧日本軍とイギリス領インド帝国軍との間で行われた戦闘です。単一の作戦における損失としては、旧日本軍史上最悪の惨敗に終わりました)

やはり名作の裏には、徹底した取材と作者の経験が欠かせないもの。多くの漫画家が時間をかけて取材を行い、作品に深みと広がりを与えていることが改めてわかりますね。

それにしても、完結から10年以上が経過した『鋼の錬金術師』が、今読んでも新たな発見と驚きを与えてくれるとは…。この作品の持つ色褪せない魅力に、ただただ感服するばかりです。

via: togetter