ゲームアプリのリリース以来、爆発的な人気を博し、アニメや各種コラボも絶好調のCygamesが展開する『ウマ娘 プリティーダービー』。今年はアプリリリース4周年を迎え、スピンオフ漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』のアニメ化も発表されるなど、その勢いはとどまるところを知りません。
そんな中、先日公式が二次創作ガイドラインを更新。新たに「営利を目的とする」利用を禁止する旨が明記されたことで、同人作家やコスプレイヤーの間で大きな波紋が広がっており、今後の活動方針をどうすべきか、様々な議論が巻き起こっています。

公式サイトで更新された二次創作ガイドラインの要点は以下の通りです。
『ウマ娘』に登場するキャラクターの多くは、実在する競走馬をモチーフとさせていただいており、馬主様をはじめ関係者各位のご厚意により馬名をお借りしています。本作は多くの方々の応援とご協力によって成り立っている作品です。そのため、モチーフとなる競走馬のファンの皆様、馬主様、そして関係者の皆様が不快に思われることのないよう、競走馬やキャラクターのイメージを著しく損なうような表現は避けていただくようお願いいたします。
つきましては、以下に該当する内容の創作、または利用はご遠慮ください。
1 .『ウマ娘』という作品、または第三者の思想や名誉などを傷つけるもの
2. 暴力的・グロテスクな表現、または過度に性的な表現を含むもの
3. 特定の政治・宗教・信条を過度に支援、または貶めるもの
4. 反社会的な表現を含むもの
5. 第三者の権利を侵害するもの(無許諾の素材利用、作品の盗用など)
6. 明確な商業用途または営利を目的とする行為(いわゆる「同人活動」の範疇を逸脱した営利行為)
7. その他、本ガイドラインの趣旨に著しく反するもの
本ガイドラインは、馬名をお借りしている管理会社様と協議の上で策定したものです。個別の創作物に関するお問い合わせにはお答えできかねますが、最終的な判断は弊社にて行い、必要に応じて法的措置を含む対応を検討する場合がございますので、あらかじめご了承ください。
本ガイドラインは、ファンの皆様の創作活動を否定するものではなく、皆様に安心してファン活動を楽しんでいただくためのものです。何卒ご理解とご協力をお願いいたします。

中でも特に注目を集めているのが、更新されたガイドラインの第6項「明確な商業用途または営利を目的とする行為」。この一文に、同人誌の頒布や有償のイラスト依頼、さらには業者製のコスプレ衣装を着用してのイベント参加も抵触するのではないかと、多くのクリエイターが衝撃を受けています。
X(旧Twitter)ユーザーの「サイコロステーキ」さんは、「営利目的ダメってことは同人誌もダメ?って思ったけど、調べてみたら非営利って儲けちゃダメってことじゃないのね」とポスト。他のユーザーからも、利益を出すこと自体が目的でなければ、例えば印刷費などの実費を回収したり、収益を引退馬支援団体に寄付したりする形であれば「非営利」と見なされるのでは、といった声が上がっています。
また、今回の改定は、昨今問題となっている「AIイラストによるグッズ販売」や「悪質な海賊版グッズ」への対策ではないかという指摘も。『ウマ娘』は実在の馬主様や関係者の権利が関わるため、他の作品と比べても二次創作の扱いは特にデリケートであり、運営側もより厳格な管理をせざるを得ないのだろう、という見方です。

コスプレイヤーの「泡沫いろは」さんは、今回の改定で業者製のコスプレ衣装がグレーゾーンになったことについて言及。「これが本来あるべき姿。自作こそが愛だよね」と、むしろ歓迎する姿勢を見せています。

泡沫さんは、コスプレ衣装には「公式製」「業者製」「自作」「オーダーメイド」の4種類があると解説。今回問題視されているのは、版権元に無許諾で製造・販売されている「非公式の業者製」衣装であると指摘しています。

とはいえ、多くのファンが「同人活動」と「商業活動」の線引きが曖昧だと感じているのも事実。公式側もあえて断定的な表現を避け、最低限のラインを守りつつも、ファンによる創作の火を消したくないという意図が透けて見えます。
そんな中、同人活動に詳しい「チャンコ増田」さんは、連続ポストで「同人活動と商業活動」の境界線について持論を展開。その内容は多くのクリエイターにとって参考になるものでした。
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※印刷所に同人誌を頼む≒衣装をオーダーメイドするのは「創作の支援」であり、商業活動ではない。
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※同人活動はあくまで「趣味の延長線上で、結果的に利益が出ることがある」もので、「利益を出すこと」が目的の商業活動とは根本的に異なる。
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※コスプレ写真集の頒布や、参加費無料の撮影会などは同人活動の範疇。
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※一方で、コスプレを主な収入源とし、出演料やコンテストの賞金で生計を立てる場合は、明確な商業活動にあたる。
増田さんは、今回の『ウマ娘』のガイドラインは、あえて表現を曖昧にすることで、本当に悪質な業者などを牽制しつつ、純粋に作品を愛するファンの活動を萎縮させないための「選択的黙認」の姿勢ではないかと分析しています。
しかし、すでに一部のクリエイターは活動の自粛を決定。イラストレーターの豆餅アルカさんは、「公式から明確なガイドライン更新があったため」として、Fanboxで公開していた『ウマ娘』関連の営利目的の二次創作をすべて削除し、Skebで受注した依頼も中止すると発表。「違反した場合、法的措置を取られる可能性も示唆されており、そのリスクは負えない」と、苦しい胸の内を明かしました。

絶大な人気を誇り、二次創作も非常に盛り上がっている『ウマ娘』。今回のガイドライン更新は、各分野のクリエイターに今後の活動方針の見直しを迫る、大きな一石を投じたと言えそうです。
via: togetter