「ゲーム値上げは避けられない」元SIE吉田修平氏が語る価格高騰の背景、『GTA 6』が転換点になる可能性も?


任天堂やマイクロソフトが新作ゲームの値上げを発表し、ゲームの価格設定が再び熱い議論を呼んでいます。これに対し、元PlayStationのグローバルインディーゲーム部門ヘッドである吉田修平氏が先日インタビューに応じ、ゲーム価格の上昇は「遅かれ早かれ起こる」結果だと指摘しました。その背景には、業界が直面する厳しいインフレ圧力と、高騰し続ける制作コストがあるとのことです。


吉田氏はフランスメディア『PlayStation Inside』の独占インタビューで、「これは遅かれ早かれ起こることだと思います。もしかしたら任天堂からではないかもしれませんが、いずれは起こるでしょう」とコメント。「私たちは矛盾した時代にいます。インフレが深刻な一方で、プレイヤーはますます大規模で開発コストの高いゲームを求めつつ、価格調整は受け入れたくない。これは解けない方程式ですよ」と語りました。

最近では、任天堂がNintendo Switch 2のローンチタイトルとして『マリオカートワールド』を80ドル(約12,000円)で発表し、プレイヤーから不満の声が上がりました。マイクロソフトも、今年後半から一部のファーストパーティ製Xbox新作を80ドルに調整すると発表済み。さらに、超注目作『グランド・セフト・オートVI』も、もしかしたら100ドル(約15,000円)という価格になるのでは?と噂されています。

吉田氏は、ゲーム業界のコスト上昇は無視できない事実だと指摘。特に現代のゲームは、技術面でもアート面でも非常に高いレベルが求められると言います。彼は、「リメイクやリマスターのブームは、利益を確保し、新作開発を支えるための業界の対応策の一つ」だと分析。「Rockstar Gamesが『グランド・セフト・オートVI』の価格を90ユーロ(約15,000円)以上にするかは分かりませんが、全体的なトレンドはそうなっています。また、サブスクリプションやサービス型ゲームも、それ自体で莫大な収益を上げつつ、ある意味でAAAタイトルの開発コストを支えているんです」と補足しました。

また吉田氏は、フランスのスタジオSandfall Interactiveが最近リリースした『Clair Obscur:Expedition 33』にも言及。この作品はわずか30人のチームで開発されたにもかかわらず、3日間でミリオンセールスを突破し、フランスのマクロン大統領からも称賛されたそうです。彼は、こうした2A級作品が、小規模チームでも限られた予算で高品質の作品を生み出せることを示しており、今後の方向性として「アリ」だと考えているようです。

コスト削減のもう一つの道として、吉田氏はAI技術が開発の強力な武器になると語ります。ただし、「AIはあくまで補助ツールであり、主役ではない」と強調。「生成AIは反復的なプロセスを加速させ、小規模チームの負担を減らし、ゲーム経済の持続可能性を高めることができます。もちろん、それが人員削減につながってはいけませんが」と述べました。

Nintendo Switch 2の今後の動向については、吉田氏はFromSoftwareが開発するSwitch独占新作『The Duskbloods』に最も期待していると明かしました。『エルデンリング』で知られるこの開発会社は、新作を出すたびに驚きを与えてくれると語っています。

吉田氏は近年、PlayStationを離れてからも、任天堂ブランドの方向性からAIが開発プロセスに与える影響まで、業界に対する鋭い見解を頻繁に発表しており、その影響力と先見の明を常に示し続けています。