そんな彼が次に挑んだのは、1993年放送の『機動戦士Vガンダム』。その視聴中のリアクションと、視聴後に投稿された魂のレビューが「わかりすぎる」「的確すぎる」と、再び大きな話題を呼んでいます。

『機動戦士Vガンダム』は、1993年に放送された富野由悠季監督によるガンダムシリーズのTVアニメ。これまでのシリーズとは一線を画し、主人公に史上最年少の13歳の少年ウッソ・エヴィンを起用。「TVアニメの原点に戻り、単純に面白いロボットアニメを」というコンセプトでスタートしました。
しかし、当時のサンライズとバンダイの合併や、商業的な要請による様々な制約から、富野監督は精神的に追い詰められていたと伝えられています。その結果、物語は混沌とし、暴力的な描写が多発。当初の「面白い」という方向性から、多くのキャラクターが悲惨な最期を遂げる残忍な展開へと変貌し、ファンの間では「黒富野」の代表作として知られています。

そんな前知識など一切ない状態で『機動戦士Vガンダム』の視聴を開始したHIM'ELさん。当初はタイトルにもある「V」がVictory(勝利)を意味することや、名曲「STAND UP TO THE VICTORY ~トゥ・ザ・ヴィクトリー~」に、希望に満ちた物語を期待していたようです。

主人公ウッソの物語にも「ガンダムの主人公はいつもクレイジーな状況に巻き込まれるからな!」と興味津々で、序盤は穏やかに視聴を進めていました。ウッソのパイロットとしての才能には驚きつつも、「まあ主人公だしな」と納得の様子。


しかし、ウッソとの戦闘に敗れた敵兵が涙を流すシーンで、彼の心は揺さぶられます。「ガンダム作品で、大人が子供のパイロットに対してここまで本気で心を痛めているのを見たのは初めてかもしれない。最初は子供に負けて泣いてるのかと笑いそうになったけど、彼の言葉を聞くうちに、その苦しみが痛いほど伝わってきた」と投稿。
「ウッソくらいの歳なら、おもちゃで遊んでいるはずなのに、彼は戦争に駆り出され、殺人兵器を操縦し、本物の銃を手にしている。まだ戦場の何たるかもわかっていない彼が、この戦争に深く関わっていくほど、事態は悲惨でクレイジーになっていくんだろうな…。ああ、また宇宙世紀のいつものやつか……覚悟を決めないと」

彼の予感は的中し、物語は急速に不穏な空気に包まれていきます。特に、ガンダムシリーズにはあまりにも似つかわしくない「ギロチン」の登場には、さすがに動揺を隠せなかったようです。


また、13歳のウッソの周りに多くの女性キャラクターが集まる展開では、カテジナとウッソのやり取りを見て、あの『機動戦士ガンダム0083』のコウ・ウラキの悪夢が蘇ってしまった模様…。


まあ、ウッソがちょっと羨ましくなるような瞬間も、なくはなかったようですがwww。

そして、物語の大きな転換点であるカテジナの裏切りに、HIM'ELさんの感情は爆発。「こういうのは決まって美人がやるんだよな…」と嘆きつつ、「信じられるかよ!彼女がウッソを殺そうとしてるんだぞ!最初は彼の面倒を見て、心配してくれていたじゃないか!どうしてこうなった!?一体何が彼女をここまで変えてしまったんだよぉぉぉ!!?!」と、魂の叫びをポストしています。

ここから先は、視聴者を絶望の淵に叩き落とす怒涛の展開。次々とキャラクターが退場していく様に、HIM'ELさんは「Vガンダムが示す『勝利』って一体どこにあるんだよ…」と、もはや精神崩壊寸前。あまりの残酷さに言葉を失います。

このあまりにも「わかりすぎる」反応に、日本のファンからも「Vガン見てるとマジでこうなる」「初見の正しい反応」と共感の声が寄せられました。


特に、カテジナがウッソを精神的に追い詰めるために、ビキニ姿の女性兵士部隊を特攻させるシーンには「正攻法では勝てないと悟った彼女が、ウッソの年相応の幻想を利用して彼を仕留めようとするなんて…。子供相手にこんなえげつないことをするなんて、マジで胸糞悪い…」と、強い嫌悪感を示しました。
最終的にカテジナは、V2ガンダムの光の翼で視力を失い、記憶をなくして狂気に陥ります。故郷の廃墟を一人さまよう彼女の最後の姿に、HIM'ELさんは「物語の最初は、彼女はいい人だったのに…どうしてこんなことに…」と、複雑な心境を吐露しています。

そして全話視聴後、彼は『機動戦士Vガンダム』への総評を投稿。その的確な分析と深い洞察に、日本のファンからも称賛の声が上がっています。
正直に言って、この作品を心から楽しめたわけじゃない。でも、好きか嫌いかと聞かれたら、答えは「イエス」だ。『Vガンダム』には味わうべき要素がたくさんある…最高に好きな部分もあれば、本気で腹が立った部分もある。
作品全体がジェットコースターのようで、途中で見るのをやめたくなる瞬間さえあった。それはまるで、劇中のキャラクターたちのようだ。彼らの苦闘はしばしば無意味にさえ感じられる。それでも物語は「耐えろ」と語りかけてくる。最後まで耐え抜けば、その先に勝利が待っている…とでも言いたげに。
このアニメは戦争の恐怖をリアルに描き、人間がどこまで堕落できるかを突きつけてくる。子供さえも戦場に送り込み、死なせることさえ厭わない。戦争の真の邪悪さを暴き出し、どちらの側にも勝者はいないという事実を見せつける。恋人、親、子供…誰もが大切な人を失い、誰もが一瞬で命を落とし、果たされなかった約束や願いだけが残される。
これで、一体どこに「勝利」があるというんだ?勝利と犠牲の名の下に始まった戦争は、地球と宇宙を等しく苦しめるだけで、平和などどこにも存在しない。本来なら幸せに育つべき子供たちが、大人の起こした問題の尻拭いをさせられる姿は、本当に胸が痛む。ウッソのような子供が戦争に放り込まれ、苦しめられる。その理不尽さと被害の大きさは恐ろしい。彼の視点を通してこのすべてを体験するのは、精神的に崩壊しそうだった。
『Vガンダム』は残酷で、リアルで、容赦がない。人間の最も痛々しく、無力な側面を我々の目の前に叩きつける。見終わった後に残るのは、とてつもない虚脱感だ…。だが同時に、これが紛れもない「リアル」なのだと認めざるを得ない。

放送から30年以上経った今、これほどまでに的確で熱いレビューが海外から届けられたことに、日本のファンも感動。「彼の洞察は素晴らしい」「この作品の本質を突いている」と、多くの称賛が寄せられています。



牧歌的な序盤から、地獄のような終盤へと突き進む『Vガンダム』。視聴中に彼が味わった苦痛は、多くのガンダムファンが共感できるものでしょう。HIM'ELさんのようにリアルタイムで絶叫することはなくとも、心の中で同じ叫びを上げたファンは少なくないはずです。さて、この地獄を乗り越えた彼が、次にどのガンダム作品を手に取るのか、目が離せませんね!