「忙しいのに儲からない」ってマジ!? 2024年アニメ市場は過去最高なのに、元請けの6割が赤字ってどういうこと!?

近年、日本のアニメ業界は国内外でその勢いを増し、ソフトパワーを遺憾なく発揮しています。特にコロナ禍においては、国際市場での存在感がますます高まりました。

しかし、先日発表された帝国データバンクの調査によると、2024年のアニメ制作市場規模は3,621億円に達し、過去最高を記録。大型作品のヒットやライセンス事業が好調だったことが主な要因です。にもかかわらず、元請け会社の約6割が業績を悪化させているという衝撃の事実が判明。「激務なのに儲からない」という、まさに業界の闇を浮き彫りにしています。

調査結果によれば、2024年のアニメ制作市場(企業売上高ベース)は前年比4.0%増の3,621億円となり、再び過去最高を更新しました。

テレビ、映画、そして配信プラットフォームなど、多方面からの需要が旺盛で、元請け会社によるIP(知的財産)展開も好調に推移。この勢いは止まらず、2025年にはさらに市場規模が拡大すると予測されています。

元請け会社の平均売上高は27億4,900万円と、こちらも過去最高を記録。ですが、利益状況は決して楽観視できません。増益となったのはわずか40%に留まり、25.5%が減益、そして34.5%が赤字という結果に。合計すると60%もの会社が業績悪化に陥っているのです。

制作単価の上昇や、旧作の配信による売上、キャラクターの二次利用収益の増加などで収入は確かに伸びています。しかし、それ以上にコストの増加が激しいのが現状です。外注費の高騰、自社アニメーターの人件費増加、オフィス拡張に伴う賃料や維持費の上昇などが、支出を大幅に膨らませていると分析されています。

一方で、下請けの制作を専門とする「専門スタジオ」は、平均売上高が4億3,800万円と4年連続で前年を上回っています。利益状況も改善傾向にあり、赤字比率は33.3%と前年より9.2ポイント減少しました。

IP収入という緩衝材がない分、本来なら減益や赤字に陥りやすいはずの下請けですが、この結果は興味深いですね。

帝国データバンクは、アニメ会社が直面する課題として、制作コストと人件費の急騰、人手不足による制作遅延などを指摘しています。売上高の伸びがコスト増に追いつかず、制作費への価格転嫁も難しいことから、「忙しいのに儲からない」という構造的な問題に陥っているとのこと。

報告書では、アニメーターへの適正な報酬を含め、労働環境の抜本的な改革が必要だと強調しています。言わずもがなではありますが、日本のアニメ市場がますます強大になる中で、このいびつな現象がなかなか改善されないのは、なんとも歯がゆいばかりです。

via: PR TIMES