『王立宇宙軍』、『トップをねらえ!』、『新世紀エヴァンゲリオン』、『天元突破グレンラガン』といった数々の名作アニメを手がけてきた制作会社GAINAX Co., Ltd.(株式会社ガイナックス)。昨年6月に破産を申請したというニュースは、多くのアニメファンに衝撃を与えました。
そして先日、ついに破産手続きが終結し、約42年の歴史に幕を下ろしました。これを受け、株式会社カラーの庵野秀明氏も声明を発表。「設立当初から20年以上在籍し、現在も株主である私としても、このような結末は本当に残念でなりません……。ですが、静かに受け止めるしかありません」と心境を明かし、関連事項について報告しました。

▼ このニュースが報じられると、X(旧Twitter)のトレンドにも「ガイナックス」がランクインしました。

ガイナックスの経営状況は2012年頃から悪化し、カラーが資金援助を行ったこともありました。2019年には当時の代表取締役が不祥事で逮捕される事態に。庵野氏は、関連作品への影響を避けるため調査に尽力し、KADOKAWA、キングレコード、TRIGGERといった業界各社と協力して、新たな経営体制の構築を進めていました。

庵野氏はカラー公式サイトの声明で、各社の協力のもと、各作品の権利処理や譲渡、成果物といった関連資料の引き継ぎを無事完了させ、正当な手続きを経て、本来あるべき権利者やクリエイターの元へすべて返還されたことを報告しています。
これまで外部に知られていたガイナックスの状況は、実は氷山の一角に過ぎませんでした。庵野氏は今回の声明で、その後に発覚した新たな問題についても言及しています。
それは、旧経営陣が主導していた時代に、正当性を欠いた権利譲渡や資料の引き渡しといった行為が行われていたという事実です。これに対し、カラー側は当時の経営陣を相手に民事訴訟を提起し、2023年に相手側の謝罪を受け入れる形で和解が成立したとのことです。

新経営陣に移行した当時のガイナックスは、すでに経営が立ち行かない状態でした。カラーは実態を把握し、権利や資料の流出を防ぐため、契約書類や過去のメールなどを調査。最大債権者として、事態の解明に全面的に協力したといいます。
その調査の過程で、過去のガイナックス上層部が、カラーからの緊急融資を受けた後にもかかわらず、数々の不誠実な行為に及んでいたことが判明します。それには、返済に関する虚偽の説明、会社運営や作品資料の杜撰な管理、そして最大の出資者であるカラーに対する敬意を欠いた対応などが含まれており、大きな衝撃を受けたとしています。
具体的には、元福島ガイナックス代表の浅尾芳宣氏や、大学時代からの友人だと思っていた山賀博之氏、武田康廣氏らが、カラーや庵野氏本人に対して様々な虚偽の対応を繰り返していたとのこと。ガイナックスのスタッフに「本人は入院中で不在」と嘘をつかせて連絡を絶ったり、敵意に満ちた内容の書面を送付したり、明らかに返済義務を逃れるための工作も見られたといいます。これらの事実が次々と明らかになるにつれ、庵野氏の怒りは悲しみへと変わっていったと綴られています。
「彼らとは、もう以前のような『友人』の関係には戻れないと痛感しました。和解は成立しましたが、これ以上彼らのために時間を費やすつもりはありません」と、庵野氏は関係の決裂を明言。そして、「本来、旧経営陣が負うべきだった責任のすべてが、輝かしい歴史を持つアニメ制作会社『ガイナックス』に押し付けられたのです。放置された状況の中で、新体制のスタッフは懸命に雑務をこなし、散逸した権利や資料を整理し、債権者と向き合ってくれました」と続けます。
そして最後に、大学時代の友人であり、ガイナックス最後の代表取締役となった神村靖宏氏への感謝で締めくくられています。「最後まで支え、すべての後始末をやり遂げてくれたのは、ガイナックス最後の社長であり、大学時代の友人でもある神村靖宏でした。神村、本当にありがとう。そして、お疲れ様でした」

負債が拡大し、もはやアニメーターが制作を担える状況ではなかったというガイナックス。一時代を築いたアニメブランドが、このような形で内情を暴露され、40年以上の歴史に幕を下ろすことになったのは、ファンとしても非常に残念でなりませんね…。
via: Khara官網