ゴミ屋敷の清掃や特殊清掃、遺品整理などを手掛ける業者「M.A Clean」が先日X(旧Twitter)に投稿した、ある孤独死現場の事例が大きな反響を呼んでいます。
同社によると、先日緊急の依頼を受け、ある孤独死の現場で初期対応を行ったとのこと。薬剤での洗浄や消臭作業を行ったものの、査定に訪れたコレクションの買取業者からは「臭いがひどすぎるため、買い取りはできません」と断られてしまったそうです。公開された写真には、部屋を埋め尽くす大量のハロー!プロジェクトや洋楽のCD、DVD、そして様々なコレクションが写っており、「故人が一生をかけて少しずつ集めてきた宝物だったのでしょう」という言葉と共に投稿され、ネット上で大きな話題となりました。

孤独死の現場では、遺品が異臭によって汚染され、市場価値を失ってしまうケースが少なくないといいます。そうなると、遺品整理の費用もかさんでしまうとのこと。部屋いっぱいのコレクションからは故人の情熱が伝わってきますが、そのあまりの量に「おそらく一生かかっても全てを見たり聴いたりすることはできなかったのではないか」と感じるほどだったそうです。
この経験から、業者の担当者は「人は最後に何を残し、何を持って逝けるのでしょうか。この仕事をしていると、ふと人生について考えさせられます」と心境を綴っています。



この投稿が公開されると、写真に写った棚のコレクションから、故人の趣味を特定するユーザーが続出。ハロー!プロジェクト(ハロプロ)のDVDやグッズが発見されたことから、故人は長年アイドル文化を支えてきた熱心なファンだったのではないかと推測されています。
あるユーザーは「『BEYOOOOOND1St』や『BEYOOOOO2NDS』が見える。本当に人生をかけて集めていたんだな」と指摘。また、「ハロプロファンは高齢層も少なくないから、本当に他人事じゃない。歳をとったら自分の体を大切にしないと」と、自らを省みるようなコメントも見られました。


アイドルのコレクションだけでなく、写真に写るCD棚に注目した音楽ファンも。ブルース・スプリングスティーン、ジェリーフィッシュ、ザ・フー、トム・トム・クラブといった、著名な洋楽アーティストたちの作品が確認できます。
これには「みんなハロプロにばかり注目してるけど、この方は相当な洋楽ファンでもあるな」「ジェリーフィッシュ好きでハロプロファンって、なんだか親近感が湧くなぁ」といった声も上がっています。


この一件が多くの人々の共感を呼んだのは、コレクションの内容そのものよりも、多くの人が「自分の未来」を重ね合わせたからかもしれません。「これは本当に他人事じゃない」「50代独身だから、特に心に刺さる」といった、独身の中高年層からのコメントが相次ぎました。
特に、趣味のコレクションを持つ人々にとっては衝撃的だったようで、「どんなに貴重なコレクションも、死んだら持っていけない」と痛感。ただ棚にしまい込んでおくだけなら、元気なうちに売ったり、本当に大切にしてくれる人に譲ったりした方が良いのではないか、と考えさせられるきっかけになったようです。


もとは特殊清掃業者の業務記録のひとつだったこの投稿は、期せずして大きな共感を呼びました。コレクションを持つこと自体は素晴らしいことですが、もし自分が突然この世を去ってしまったら、膨大な時間とお金、そして愛情を注ぎ込んできた宝物たちをどうするのか。家族がいる場合はどう引き継いでもらうのか。これは、すべてのコレクターやオタク、趣味人にとって、いつかは向き合わなければならない課題なのかもしれません。
多くのコメントにあったように、「コレクションは持っていけないが、人生には必ず終わりが来る」。趣味への情熱と、人生の終焉という現実。その間でどうバランスを取っていくのか、この一件は私たちに深く問いかけています。
via: X@dk_ihdt