『ONE PIECEカードゲーム』の公式大会で、なんとも奇妙な事件が発生し、カードゲームファンの間で大きな波紋を呼んでいます。あるプレイヤーが大会で見事優勝したにもかかわらず、本人が全く知らないうちに優勝資格が取り消され、公式記録上では「本人の希望により辞退」と処理されていたというのです。
この衝撃の事実は、優勝したプレイヤー本人がX(旧Twitter)で告発したことで発覚。多くのプレイヤーやネットユーザーが注目する中、主催者であるバンダイと大会開催店舗の対応が二転三転し、事態をさらに複雑にしています。一体なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。

事件の当事者であるzooさん(@nekohige_zoo)が6月23日に投稿した内容によると、ことの発端は5月12日に開催された『ONE PIECEカードゲーム』の公式大会。優勝賞品の到着時期を確認しようとバンダイと開催店舗に問い合わせたところ、なんと「ご本人様から辞退の申し出がありました」との衝撃的な回答が。
何者かが自分になりすまして辞退を申請したとしか考えられませんが、本人確認もなしに手続きが進んでしまったことに、zooさんは困惑と怒りを隠せません。

この投稿がネット上で大きな注目を集めた翌24日、zooさんは真相を突き止めるため、改めてバンダイと大会を開催した「トレカチャンピオン 牛川店」に連絡を取りました。
zooさんは「できる限り正確に経緯を伝えたい」と前置きしつつ、バンダイと店舗から新たに得られた説明が、前日の内容とは食い違うものであったことを明かし、さらなる混乱を招いていると報告しています。

zooさんが公開した情報によると、バンダイ側は「前日の案内は誤りだった」とした上で、再調査の結果を報告。それによれば、5月13日と14日の2日間にわたり、zooさん本人を名乗る人物からカスタマーセンターに2度の電話があったとのこと。
その内容は、「大会で使用したデッキにマークド(カードに印をつける不正行為)の疑いがあるため、優勝を辞退したい」というもの。バンダイ側は、カスタマーセンターでは直接辞退を受け付けられないため、開催店舗に連絡して手続きするよう案内し、その後、店舗から辞退の申請を受けて資格取り消しを処理したと説明しました。しかし、zooさん本人は「そんな電話は一切かけていない」と真っ向から否定しています。
さらに不可解なのは、バンダイ側が「通話記録は完全に保存されており、発信元の電話番号はzooさんが登録した携帯電話番号で間違いない」と断言している点です。zooさんが何度否定しても、「間違いなくあなたの番号からかかってきています」の一点張り。
自分の携帯電話番号が不正利用された可能性を危惧したzooさんは、契約している通信会社に確認。すると、通信会社からは「5月13日と14日には通話料金が発生しておらず、有料通話の記録は存在しない」との回答が。これにはzooさんも「通信会社に記録がないのに、バンダイが受けたという着信は一体何なんだ?」と疑問を呈します。結局、バンダイからは「これ以上提供できる情報はないので、店舗に直接確認してほしい」と告げられたそうです。

次に、zooさんは大会開催店舗である「トレカチャンピオン 牛川店」に連絡。店舗側の説明によると、大会終了後のある日、優勝者を名乗る人物から電話があり、「大会後に友人とデッキを見直したところ、ルール違反があったため優勝を辞退したい」と申し出があったとのこと。
店舗は電話口で名前と電話番号を確認し、個人情報を照会できないためバンダイに確認を依頼。バンダイから「登録情報と一致する」との返答があったため、辞退手続きを進めたと説明しました。これに対し、zooさんは「本人確認が名前と電話番号だけで済んでしまうのか?」と、その杜撰なプロセスに疑問を投げかけています。
しかし、さらに驚くべき事実が明らかになります。店舗側は、電話で聞き取った名前と電話番号をメモ用紙に記録したものの、そのメモはすでに破棄してしまったため、聞き取った情報が本当にzooさんのものと一致していたか、今となっては確認できないと認めたのです。さらに、なりすまし犯は辞退を申し出た後、ベスト8入賞の賞品カードを店舗に返送するという手の込みようで、店舗側も「だから本人だと信じてしまった」と話しているとのこと。現在、店舗は最新の調査結果をバンダイに報告し、本人確認のプロセス全体に問題がなかったか再確認を依頼している状況です。

zooさんはバンダイと店舗への確認と並行して、すでに警察にも相談済みとのこと。事件が明らかになると、ネット上ではバンダイと店舗の対応を疑問視する声が噴出。
「優勝という重大な権利が、電話一本で取り消せるなんて本人確認がザルすぎる」「バンダイが通話記録があると言い張るなら、真相究明のために公開すべき」「もし電話番号が偽装されたなら、単なる大会トラブルではなく、詐欺や私文書偽造などの刑事事件だ」といった厳しい意見が相次いでいます。
また、重要なやり取りのメモを安易に破棄した店舗の管理体制にも、「ありえない」「証拠を保全するのが当然だろう」と批判が集中しました。

ネット上での炎上が拡大する中、25日になってzooさんは店舗の責任者から連絡があったことを報告。店側は正式に手続き上の不備を認め、zooさんに謝罪。今後は内部調査を進めるとともに、警察の捜査にも全面的に協力する意向を示したとのことです。

店舗側から謝罪はあったものの、プレイヤーたちが最も気にしているのは「優勝賞品は今どこにあるのか?」という点です。多くのユーザーは「バンダイはすでに優勝カードを店舗に発送しているはず。問題はそのカードがどこへ消えたかだ」と指摘。
もし賞品が紛失、あるいはなりすまし犯に渡ってしまった場合、バンダイと店舗は再発行やそれに代わる補償を行うべきだという声や、「賞品だけでなく、本来得られるはずだった優勝者の名誉も守られるべきだ」という意見も上がっています。

続く26日、zooさんはバンダイ側もようやく本格的に動き出したことを報告。バンダイは警察への被害届提出を検討しており、今後の対応についても速やかに説明すると約束したそうです。
zooさんは「まだ油断はできない」としながらも、「ここまで進展があったのは、多くの皆さんが関心を持ち、声を上げてくれたおかげです」と、支援してくれたネットユーザーへ感謝の言葉を述べています。

多くのプレイヤーは、バンダイと店舗が本格的に調査を開始したのは、ネットで大きな騒ぎになった後だと見ており、「やはりSNSで炎上しないと企業は動いてくれないのか」という声が上がっています。
「本来なら最初から真摯に対応してほしかったが、事態が良い方向に向かっているのは救い」「もしzooさんが声を上げず、内々で処理しようとしていたら、『ご理解ください』の一言で泣き寝入りさせられていたかもしれない」と、SNSで声を上げることの重要性を再認識するコメントも多く見られました。

なりすまし犯の特定と同時に、多くのプレイヤーがバンダイと店舗に対し、大会運営における本人確認プロセスの見直しを求めています。今回の事件で、優勝資格の変更や辞退手続きに重大な欠陥があることが露呈したとして、今後は書面での確認や多要素認証の導入など、より厳格な本人確認システムの構築が不可欠だとの意見が多数寄せられています。
事件は現在も調査が続いており、多くのプレイヤーがその行方を見守っています。しかし、本稿執筆時点の6月30日現在、zooさんによるとバンダイからの進捗報告はないとのこと。果たして警察の本格的な捜査は始まるのか、犯人の正体は明らかになるのか、そしてzooさんの優勝資格と賞品はどうなるのか――。プレイヤーコミュニティは、固唾を飲んで続報を待っています。

via: X@nekohige_zoo