子ども向けのポケカ無料配布、保護者がカードを選別・査定し転売話まで 店主「もう疲れました」と終了

日本のXで、ステーキ店を経営し、自身もポケモンカードを楽しんでいるユーザーが、これまで大量のポケモンカードを中学生以下の子どもたちに、1人3枚まで無料で配布してきたと明かしました。カードを受け取って喜ぶ子どもたちの姿がうれしく、これまで何度もこうした取り組みを続けてきたといいます。

ところが最近、子どもの目の前で「お金になりそうなカード」を選ぶ保護者が増え、なかには「これ、お金になるんでもらっていっていいですか?」と直接尋ねる大人まで現れました。ついに心身ともに疲れてしまった投稿者は、無料配布の終了を決断。この出来事は多くのプレイヤーから共感を集め、X上で注目を集めています。

投稿者によると、フォロワーからの厚意で大量のポケモンカードが集まり、自身が経営するステーキ店で、中学生以下の子どもたちに継続的に無料配布してきました。受け取れる枚数は1人3枚まで。配布するカードにはレアカードも混ぜ、定期的に補充しており、「レアカードは全部店員が抜いている」わけではないと強調しています。

しかし、配布中に目にした一部の保護者の行動には、かなり驚かされたといいます。子どもに「レアカードは店員さんが全部抜いてるからねー」と言う人や、少しでも高く売れそうなカードを選び、「これがお金になるから」と子どもに持たせるふりをしながら、最終的には自分で持っていく人もいたそうです。

さらに投稿者を疲れさせたのが、大人から面と向かって「これ、お金になるんでもらっていっていいですか?」と尋ねられたことでした。ほかにも「これ、お金になるぞ!」と子どもに言いながら、うれしそうにGoogleレンズでカードを査定する保護者を目撃。相次ぐ出来事に、投稿者は「無料配布を終了いたします。もう疲れました」とつづっています。

投稿者はあらためて、この取り組みはあくまでも「子どもたちのため」であり、大人のためでも、転売目的でカードを持ち帰る人のためでもないと強調。転売を目的とした行動が続けば、今後レアカードを無料配布分に混ぜることもできなくなると訴えました。

この出来事が伝わると、X上では多くの意見が寄せられました。ポケモンカードはいまや複数の世代に楽しまれているホビーであり、コレクション性や市場価値が生まれること自体は理解できるものの、少なくとも善意で無料提供されたカードを前に、子どもへ「これはいくらで売れる」といったお金の話を持ち出すべきではないとの声が上がっています。

子どもに自由に選ばせるのではなく、上から3枚を取ってそのまま渡す方式にすれば、大人が高額なカードを狙って選ぶ行為を防げたのではないかと提案する人もいました。

これに対して投稿者は、子どもたちが「このキャラクターかわいい」と話しながら好きなカードを選ぶ姿は、本来とても心温まるものだったと説明。しかし、その横から「このカードはいくらになるかな」と口を挟む保護者もおり、そうした光景を見るたびに気持ちが冷めてしまったと振り返っています。

一連の出来事を受け、日本人のマナーまで悲しくなってくると批判する声もありました。一方で投稿者は、実際にはカードを受け取って喜んでくれる子どもたちが「圧倒的に多い」と強調しています。

別のXユーザーは、子どもが誰かから物をもらったとき、保護者は本来「よかったね。おじさんやおばさんに、ありがとうは?」と感謝を伝えるよう教えるものではないかと指摘。カードがいくらで売れるかに注目するべきではないと訴えました。投稿者も、最近はそうした教育が少なくなったように感じるとし、スマートフォンばかり見て、自分の子どもに目を向けていない保護者も増えたと嘆いています。

返信欄には、コンビニで働くXユーザーからの体験談も寄せられました。一部の大人がポケモンカードを購入する際のマナーや態度があまりに悪く、販売そのものをやめた店舗もあるといいます。そのユーザーの勤務先では、新商品のカードは通常どおり販売するものの、再入荷分については店頭から隠し、子どもにだけ販売しているそうです。

そのXユーザーは、「小さな子どもが500円玉を握りしめて『ポケカありますか?』と買いに来るんですよね。そこで『ごめんね、売り切れてる』と断るとき、心の中で泣いています」とも投稿しました。この体験談には心を痛める人も多く、本来は子どもたちが純粋にカードを集めて楽しむための商品が、一部の大人による買い占めや転売、利益目的の行動によって、本当に遊びたい子どもたちへ届きにくくなっているとの声が上がっています。

今回の出来事をきっかけに、ポケモンカード市場をめぐる議論があらためて広がりました。コレクターにとってカードに市場価値があること自体は問題ではありません。しかし、「子どもたちを喜ばせたい」という思いから始まった無料配布で、カードを単なる金銭目的の商品として扱い、転売まで考える行為は、取り組み本来の趣旨から大きく外れているといえるでしょう。

ポケモンカードの人気と市場価値が高まるなか、善意から始まった取り組みまで、主催者を疲れさせる結果になってしまったことには、やるせなさを感じずにはいられません。